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第224回「ウフフ!金沢へ」①

加賀一向一揆も使ったかもしれない戦国から続く滋養強壮剤

北陸新幹線で盛り上がる金沢。行って参りましたよ、新幹線ではなくサンダーバードでですが(笑)。

前回おとずれたのはもう20年近く前、駅前はまさに隔世の感ありでした。徒歩でテクテクと近江町市場を越え、まずは尾山神社へ。祭神として祀られている前田利家公とおまつ様のご夫妻に、金沢入りのご挨拶です。

前田利家像

お松の方碑

その後、香林坊を経て兼六園に向けて広坂通りを歩いていると、右側にこんなお店が。

中屋彦十郎薬舗

中屋彦十郎薬舗さんのご先祖様は戦国時代に近江から金沢に逃れた武士で、家伝の薬が評判が良いため天正7年(1579)武士から薬種商に転じたそうです。その薬というのが、写真に写っている幟(のぼり)の「混元丹(こんげんたん)」。滋養強壮に効能があるそうで、天正7年というと柴田勝家が加賀国に攻め込んだ年ですから、ひょっとしたら加賀一向一揆の者たちも、織田軍の将兵たちも、みなこの薬を舐めて合戦に臨んだかも知れませんね。

 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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