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「鬼姫」と異名された伊達政宗生母・保春院義姫のささやかなお墓

季節と時節でつづる戦国おりおり第328回

政宗さまに『会い』にいく。⑨

 前回の松蔭山光明寺に続いて青葉神社へ。
 こちらは近代の創建で、政宗さんを神として祀る聖地。「武振彦命(たけふるひこのみこと)という神号が、まさに暴れん坊の政宗さんにピッタリですね。2011年の大震災ではこの社も被害を受け、倒壊した鳥居が今も保存されています。

 

 

 

 入手水舎には三日月前立の兜を携え龍とともに立つ政宗さま。「独眼竜」にふさわしい造形です。
 心静かに政宗さまに祈りを捧げた後は、遠山覚範寺さんへ。

 

 門前の左端にしっかりと「保春院殿御墓所」と碑が建っているとおり、政宗さま御生母の保春院義姫さまのお墓がございます。

 

 ドン。
 これ、一見左の大きな五輪塔が保春院さまの墓石かと思ってしまいがちなのですが、実は右の小さな宝篋印塔がそれ。左は政宗さま三男の宗淸さんの供養塔です。「鬼姫」とも異名されたと伝わる烈女・義姫さまがささやかな墓でお眠りかと思うと、何だか微笑ましいですね。
 とはいいながら、連続する上り下りで膝はすっかりガクガクになってもう限界ですので、これにて仙台の旅はおしまい。行きと同じく、空港から一路帰宅と相成りました。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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