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アウトドアアウターの歴史を動かした2つの素材とは?

【アウトドアアウター進化の歴史④ 1976-2000:ハイテク進化期】

今やファッションアイテムの一つとしても僕たちの生活に欠かせない、
アウトドアアウターたち。黎明期から今に至る150年超の歴史の中で、それらはどう変化し、
進化を遂げてきたのか? アウトドアテクノロジーの進化を軸に、年代順に徹底解説!

第4回は「ハイテク・アウトドアの時代」。
ついにアウトドアの歴史は「近現代」へ。ゴアテックスとフリースという2つの高機能素材の誕生を機に、アウトドアアウターは本格的なハイテクの時代へと突入していく。

 

ハイテク進化期
(1976年〜2000年)

ゴアテックファブリックが誕生し
アウトドア界のハイテク化が加速する

 1976年、ゴアテックス素材がテントに採用されて以降、多くのアウトドアアウターに用いられるようになり、防水透湿性素材のハードシェルがメインに。さらにこの時期、パタゴニアからはフリースウエアもリリース。

 

【ターニングポイント 3】
1976年
米・WLゴア&アソシエイツ社が
新素材「ゴアテックス」を開発

ゴアテックスとは、リップストップナイロンなどの表生地、ゴアテックスメンプレと呼ばれる防水透湿被膜、メッシュ状になった裏地の3層構造(2層の場合もある)になった防水透湿性素材のこと。

アウトドアアウターのハイテク化にさらなる革命を起こしたのが、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が開発した新素材、ゴアテックスファブリックスだ。防水透湿性素材の元祖で、2007年に導入された新ネーミングシステムにより4つのプロダクトクラスに分類。


1977年生まれ
バートン
ーBurtonー

 洗練されたデザイン性と機能性で知られるスノーボード界のビッグブランド。1977年の誕生以来、現在のスノーボード人気に貢献。


1981年生まれ
ワイルドシングス
ーWILD THINGSー

 

 

軽くてタフをコンセプトに作る本格ウエア

 本格的なクライミングメーカーとしてアメリカのニューハンプシャー州にて設立。プリマロフトやシンパテックス、ゴアテックスやポーラテックスを使い、軽くてタフなクオリティの高い製品を作り続けている。


【ターニングポイント 4】
1985年
パタゴニアがモンデン・ミルズと共同で
シンチラ(現・フリース)を開発!
軽量で水に濡れても温かさを保つ機能ウエアとして、パタゴニアと素材メーカーのモルデンミルズ社が共同開発したのがフリース。発売当初は化学繊維を表すシンセティックと毛皮のチンチラからの造語、シンチラと命名。


1990年生まれ
アークテリクス
ーARC'TERYXー

 

 

世界最高峰のハイエンドなアウトドア銘柄

 デイブ・レインとジェレミ・ガードによってカナダのバンクーバーで創業。ハーネスが爆発的なヒットを呼び、多くのクライマーに支持される。その後も止水ファスナーやヒートモルディングなど革新的な機能を開発。


1994年生まれ
マナスタッシュ
ーMANASTASHー

 シアトル発の新鋭。異種素材の組み合わせやカラフルなパッチワークなど、これまでのアウトドア銘柄にはなかったセンスで人気を獲得。

 

【アウトドアアウター進化の歴史】
ここではアウトドアのテクノロジー進化を軸に、160年以上あるアウトドアの歴史を大きく4つの時期にセグメント。ナイロン素材が全盛となる1920年までをクラシックアウトアドア期、それからゴアテックスが登場する1975年頃までをハイテク黎明期、その後パタゴニアのフリースが開発され、アークテリクスが設立されるなどの2000年頃までをハイテク進化期、そしてハイテクの進化とともにクラシックに回帰する傾向も見られる2000年以降をクラシックアウトドアの再評価期と位置付けた。

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