豆まきだけが残った節分

 この土用を乗り切ると新しい季節が訪れる。土用明けは「節分」ともいい、現在では豆まきをして鬼退治をする、2月の節分が行事として残されている。このように、昔の人は節分に仏教的な行事を取り入れることもあった。

 昔は、季節の変わり目には邪気が生じるという思想があった。そこで、いまも伝わる豆まきなどの行事が行われてきたわけだが、なぜ立春前の節分だけが重要視されていたのか。
 それは、明治以前は太陽太陰暦を採用していたことにヒントがある。当時は立春が年の初めとされ、その前日の節分は大晦日であった。現在でも年の瀬には住居や身を清めて新年を迎えるように、かつては年越しのときに厄払いをする習慣があったという。

 節分は季節の変化を感じる節目だが、今では豆まきのみが残されており、本来の意味は忘れ去られようとしている。しかし、春以外の節分にも恵方巻きを食べようと、大手スーパーやコンビニエンスストアが提案する動きが見られるようになった。
 季節のイベントを商機ととらえるのは、日本人らしいといえる。「商魂たくましい」という声も聞かれるが、すでに定着しているクリスマスやバレンタインデーなど、日本では昔から、行事にあわせた食品などを販売し、高い経済効果をあげているので、不思議なことではないだろう。
 最近ではハロウィンがそうであるし、「土用の丑の日にうなぎを食べよう」というのも、江戸時代に平賀源内が発案したものとされる。うなぎの旬は冬とされ、夏には売れ行きが悪くなることから考えられたという説もある。
 現在では雑節について知られることがなく、行事のみが残るケースもあるが、このように由来を調べていくと、日本人の国民性までうかがえるようだ。

 雑誌『一個人』1月号では「日本のしきたりと年中行事」という特集を展開し、季節と行事の関係なども解説。1年間の行事とともに、今年の思い出を振り返ってはいかがだろうか。