チームだからできた
若きリーダーの挑戦

 日本の伝統色をモチーフにした「紅桔梗」「黄水仙」「月白」など、引く手あまたの荷札酒も生まれている。ただ、と社長。
「彼は、まだ酒造りを習い始めたばかり。今期やっと、お米の溶かし方のイロハを勉強中。基本中の基本ですが、まだまだ一歩ずつです」。
 一滴も酒を飲めなかった蔵元と、優れた先達たちの導き、鋭い感性で独自の酒宇宙を造りだしている息子。
「業界の先輩・蔵人・家族がいて、皆のチームだから、やって来られたんだと思います」。

麹室の温度や湿度を遠隔操作するのはスマホ。プログラミングも制御装置も、社長に言われて悠一さんが大学生時代にアルバイトで自作した。
種(麹菌)を振るのも、蒸米を返すのも2人の蔵人で息を合わせる。振った後は、しゃがみこんで、麹菌が落ち着くのをじっと待つ。
蒸米釡が2基並ぶ。導入する折、広島の杜氏さんからこっそりとアドバイスをいただいた。「今でも感謝しています」と社長。
写真のヤブタ(酒の搾り機)は冷蔵庫のなかに入っている。かすかに緑色を帯びた酒は、清冽な香り。酒質を保つのに必要な設備投資は的確に行う。

 

加茂錦酒造
新潟県加茂市仲町3-3 
☎0256-52-0035
明治26年(1893年)創業の蔵を9年前に引き継いだ現社長(悠一さんの父)の下、若いリーダーがチームを率いて酒造りを進める。