劣等感が自分を律させる
自分がプロになったときにはJ2だったこの川崎フロンターレが、J1に昇格したり、AFCチャンピオンズリーグに出場したり、それこそリーグ優勝をしたり。個人的には2006年に日本代表に選ばれたり、昨年はJリーグ最優秀選手に選んでもらえたりと、その都度刺激はありました。思い起こせば、勝てない時期や苦しい時期もモチベーションになっています。その中で中村憲剛という選手がどうやって抗っていくのかが重要で。

若いときには、監督やコーチ、さらには先輩から叱咤激励されることで勉強することができましたが、今は自分が年長者になり、言われる機会も減りましたよね。その中で、ここ数年は、自分で自分を律する、または自分で自分を探していく作業へと切り替わってきました。
37歳になり、ベテランと言われる年齢になって久しいですが、自分で自分を律することの裏には、学生時代まで日陰を歩いてきたという劣等感が、意外と根深く残っているんですよね(苦笑)。
自分が、ここでもういいやと思ってしまえば、簡単に落ちていく。誰にも相手にされない怖さとでも言うか、そこは自分が一番よく知っている。だから、そうならないためにも、自分は試合に出続けるしかないんです。
試合に負けて悔しかったり、自分のプレーが不甲斐なかったときに、それを覆すのも、挽回するのも結局は自分。だからこそ、やるべきことをやらずに落ちていく、もしくは逃げるというのは、自分の中で“なし”なんですよね。