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「子供をもたない」が生む罪悪感の正体

ともに40代既婚、子ナシの3人が語りあった。②

ヨーロッパは「自分で産まなくてもいい」

サンドラ わりと中央ヨーロッパ、北ヨーロッパはそうなんです。ドイツに限らず、スウェーデン、デンマーク、オランダ、あとフランスとか。あのあたりは、日本的な「血のつながり」というのが薄くてあまり大事にされていない。そういった意味では向こうの人達は結構ドライです。例えばどうしても子供が欲しいという時に、「じゃあ養子をもらえばいいんじゃない?」と言う人がすごく多い。何も自分の血じゃなくてもいい。本当に子供が好きなんだったら世界には困っている子供がたくさんいるので、その子を育てればいいじゃないという感覚なんですよね。

 ドイツの場合はビックリする歴史もあって。私は75年生まれですが、私と同年代の東洋人っぽい顔立ちのドイツ人女性をちょくちょく見かけるんです。どういうことかというとその人達のルーツは韓国。1970年代、まだ韓国が貧しい時に未婚のまま産んでしまった、あるいは不倫の末できた子供がドイツとかスウェーデンに養子に出されていたんです。そしてすでに子供が2人、3人いる夫婦がその3番目、4番目の子供として韓国から養子をとっていた。その子が大人になって、今40代くらい。要するにあまり養子に抵抗がない国なんです。

 日本だと「子供を産まないといけない」プレッシャーがありますし、あと産む時にもツイッターでよく見ますけど「無痛分娩はけしからん!」なんて言われたりする。でもヨーロッパではそんなプレッシャーはない。

「そもそも自分で産まなくてもいいんじゃない?」という考え方です。北ヨーロッパとか中央ヨーロッパの国は、わりとそこら辺はドライです。「自分で産んでもいいけど、できなかったらできないでいいんじゃない?」という感覚の人が多いんです。南のイタリアとかスペインは保守的でまた違うんですけど。

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吉田 潮

よしだ うしお

コラムニスト

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。ライター兼絵描き。



法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』、『Live News it!』(ともにフジテレビ)のコメンテーターなどもたまに務める。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より『東京新聞』放送芸能欄のコラム「風向計」を連載中。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』(KKベストセラーズ)、『くさらない イケメン図鑑』(河出書房新社)ほか多数。本書でも登場する姉は、イラストレーターの地獄カレー。



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  • 2017.08.26