歓喜の胴上げ「もっと高く」

 

「一切合切、懸念なく送り出せるくらい逞しくなった。信じられない成長。手術をして、休まずにここまで投げてね。それまで、あんまり状態がよくなかったチームが、まとまるようになった。衛藤がいなければ、ここまで来られなかったかもしれない」

 初の東北王者、明治神宮大会出場に並々ならぬ執着を持ち臨んだ秋。聖光学院は質の高いチーム力で、悲願を実現させた。

 選手たちがよくやってくれた――。斎藤監督は、そう何度も口にしたが、最後にしみじみとこう結んだ。

「横山部長が、Aチームと同じようにBチームを育ててくれたおかげ。この秋は部長を称えるべきだよ」

 斎藤監督の賛辞に、横山部長は「自分のやり方を許してくれた監督の器の大きさのおかげと」と感謝を述べる。

 その横山部長が、試合後に選手たちに胴上げされる。まだ感動は収まらない。それでも、「ここで終わりじゃないんだ」と感極まる自分を抑えるように、心のなかでこう叫ぶ。

「低い。まだ低いぞ! 今年の3年生は、もっと高く俺を揚げてくれたぞ」