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なぜジャパネットたかたの女性社員は、結婚しても会社を辞めないのか?

髙田明さん7月毎日更新 Q14. 女性の社会進出に対してどのように考えていますか?

女性の社会進出がすすむ昨今、会社はどのように変わっていけばいいのか。「会社が仕組みを作るだけではうまくいかない」、ジャパネット元社長髙田さんに聞いた改革のポイントとは?

――女性の社会進出に対してどう考え、どう対応されていますか?

 前回、ジャパネットたかたには何十組という社内カップルがいる、と言いましたが、みなさん結婚してもほとんど会社を辞めません。子どもを育てるとなると、産休と育休でだいたい1年半くらい休むことになるんですけど、例えば3人のお子さんを出産される方は1年半休んで、1年仕事に復帰して、また1年半休むといった具合で、ぜんぶで7~8年くらいは仕事に復帰したり休んだりの期間ということになります。でもそんな女性って、休み明け、仕事に集中できるようになるとものすごい力を発揮するんです。

 それが分かっているから、今の社長以下、新体制では女性が活躍できるような充実した体制を作ろうと一生懸命やっています。それはわたしが踏み込めなかった分野でもありますから、とても良いことだろうと思います。

 これから女性の活用を促進していくうえでは、そうした制度面の設計と同時に、女性自身の意識の変化も必要なのではないかなと思います。「男女雇用機会均等法」ができたなかで、女性だからと意識している自分がいると、前に進んでいきません。笑い話ですけど、女性とゴルフでラウンドするとわたしのほうが飛ばない。なのに女性は前から打ちます。「男女平等なのにおかしいよね、わたしは後ろから打っても飛ばないのに、前から打っている女性のほうが飛ばすんだから」って。「だから女性は感謝しながらラウンドしてください」って(笑)。

 制度に対してただ、「ありがとう」と乗っかっているだけでは会社がうまく回らないと思うのです。会社に貢献するにはどうするか。自分の働き方を「女性だから」というだけでなく、女性が自分自身で考えて、変えていかなければいけないと思います。

 会社は仕組みを作っていく。働く側はどんどん変わっていく。これは女性に限ったことではないですね。残業規制や労使協定を大事にしていくために、会社も変わっていくし、それに合わせた変化が社員にも必要です。もっと生産性を上げなければいけないし、どうすれば限られた時間のなかで与えられた仕事を達成できるのか、どうすれば会社に貢献できるのか考えなければいけません。

 この2つのバランスをきちんと世の中が取っていかないと、現実は良い方向に進んでいかないのではないでしょうか。

明日の第十五回の質問は、「Q15.奥様はどんな方ですか?」です。

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髙田 明

たかた あきら

1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーへ就職し通訳として海外駐在を経験。

74年に父親が経営するカメラ店へ入社。86年に「㈱たかた」として分離独立。

99年に現社名へ変更。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、

その後テレビ 、チラシ・カタログなどの紙媒体、インターネットや携帯サイトなどでの通販事業を展開。

2012年には、新たな拠点として東京にオフィスとテレビスタジオを開設する。

2015年1月に「㈱ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「㈱ A and Live」を設立。

2017年4月、サッカーJ2クラブチーム「㈱V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任。

「㈱A and Live」社名の由来:今を生き生きと生きる世の中にしたいという想いから


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