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「休む」とは「動かない」ことではない!? 日本人の9割が勘違いしている休息法

自律神経が整えば休まなくても絶好調①

休んでいるのに疲れがとれないのはなぜか? そもそもなぜ疲れてしまうのか? 自律神経伝授の第一人者・小林弘幸さんの著作『自律神経が整えば休まなくても絶好調』より、体の疲労回復&心のストレスゼロになる休息法を紹介します。

休むとは動かないことではない

 実は、「休む」とは「動かないこと」ではありません。

 動かないことが休息になっていたのは、まだまだ人々の暮らしが貧しく、社会インフラも整っていなかった時代の話です。朝から晩まで農作業などに従事し、しかも歩いて山道を越えるような生活をしていた私たちの祖先にとって、座ったり横になったりすることこそ休息でした。

 しかし、健康のためにスポーツクラブに行って体を動かすことが求められるような現代のビジネスパーソンは、まったく逆なのです。私たちの祖先が、いまのスポーツクラブいう存在を知ったら「なぜ、わざわざ疲れようとするのだ」と腰を抜かすことでしょう。

 あなたは、現代のビジネスパーソンですから、もしかしたらスポーツクラブに通っているかもしれませんね。通っていないまでも「入会しようかな」と考えたことくらいはあるでしょう。

 だとしたら、その理由はなんでしょう。

 単純に、運動不足を実感しているから。

 医者から体重を落とせと言われたから。

 ストレス解消のため。

 だいたいこんなところでしょう。これらの要素は、どれも現代人の休息のあり方と重なります。あなたは普段から運動不足で、もしかしたらダイエットが必要で、ストレスをため込んでいるはずです。

 そういうあなたが「休息」するときに、どかっとソファに座り込んだりすれば、かえって疲れをためることになります。

 家に帰ってからも、座り込まずに動いたほうが休息になります。「座ったほうが休まる」という思い込みが現代人をさらに疲れさせているのです。

「動かないことが休息なのではない」ということが実感としてわかれば、仕事への関わり方も変わってきます。忙しい仕事も取り組み方次第で、それがイコール休息になったりします。仕事と休息は、決して相容れないものではありません。 

 
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小林 弘幸

こばやし ひろゆき

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく』(PHP研究所)など多数。


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