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疲れをとりたい!やれば続くストレッチのすすめ

お尻をほぐせば「疲れ」はとれる 第1回

通勤電車に揺られながら、最近疲れがたまっているな~とボヤくサラリーマンの方必見。疲れの原因はお尻の固さにあるのです。それを解消する最も効果的な方法はストレッチ。先ごろお尻をほぐせば「疲れ」はとれる』(ベスト新書)を上梓。「Tarzan」でもお馴染み、坂詰真二トレーナーに語っていただいた。

ストレッチの即効性からくる「自己効力感」

 日常生活が便利になって体を動かさなくなったために、体の機能、つまり体力が衰えました。これを改善するために、機械やIT機器を使わない世界に戻す、こんなことは社会全体では不可能ですし、個人としても非常に難しいことです。
 そこで必要となるのが、安全性と効率を最重視してつくられた代替運動である体力トレーニングです。とは言え、体力トレーニングというと高いハードルを感じる方も多いでしょう。確かに筋力を高める筋力トレーニングや持久力を高める有酸素運動などを行うと、実施中に少なからず苦痛を感じますし、終わった後も数時間から数日疲労感が残ります。

 しかし柔軟性を高めるストレッチは全く別もの。あらゆるトレーニングの中で最も消費するエネルギーが少ないため、疲労を起こしにくいトレーニングなのです。詳しくは後述しますが、むしろ疲労を軽減する働きさえあります。ストレッチをすることは柔軟性を高めるだけでなく、疲労も和らげてくれるわけですから、やらない手はないのです。
 もう一つ、ストレッチには筋力トレーニングや有酸素運動などとは異なる大きな特徴があります。それは即効性があること。
 筋力トレーニングや有酸素運動は、実施直後から数日間、むしろ筋力や持久力は低下しその後回復します。また、目に見える効果が表れるには、数週間~1か月を要します。
 一方、ストレッチは実施直後に目に見えて柔軟性が向上しますし、わずか1~2週間でも見違えるほどの効果が得られます。
 心理学的に、行動を変えるために最も必要な要素の一つとして「自己効力感」、自分はやればできるのだという自信を持つことが挙げられます。
 筋力トレーニングなど一般的な体力トレーニングには自己効力感を得るまでに時間がかかり、それが挫折のきっかけにもなりがちです。逆にストレッチは前述のように効果が出やすいため、自己効力感を持ちやすく、一旦開始すると続けやすいのです。
 ちなみにストレッチの原型はヨガですが、このヨガが日本で10年以上に渡って根強い人気を持つ理由の一つが、ここにあるのだと私は思います。

『お尻をほぐせば「疲れ」はとれる』 (ベスト新書)より構成〉

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坂詰 真二

さかづめ しんじ

1966年生まれ、新潟県出身、横浜市立大学文理学部卒。スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、同協会認定パーソナルトレーナー。横浜リゾート&スポーツ専門学校講師。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)でディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスにて実業団等のチーム、個人選手へのコンディショニング指導を担当。1996年に独立後、指導と後進の育成に加え、各種メディアでも活躍。育成したトレーナーは3000人を超え、「坂詰式『正しい』筋トレの教科書』(カンゼン)ほか、多数の著書・監修書籍がある。


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  • 2017.05.09