大谷翔平の怪我は回避できたか。考えるべきポイント――建山義紀の「野球プロ目線」 | BEST TiMESコラム

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大谷翔平の怪我は回避できたか。考えるべきポイント――建山義紀の「野球プロ目線」

バッターとしての出場を回避すべきだったか。

 プロ野球解説者、建山義紀に聞く「野球の見方」。怪我で離脱中の大谷翔平選手。いま、考えておくべきこととはなにか。(後編)

前回:シーズン前の大谷翔平に感じた「期待」と「不安」

 考えれば考えるほど大谷翔平という類まれな才能を、将来を見据え、勝利を目指しながら起用していくことの難しさに思い至ります。
 この回では、この怪我に関して質問を受けた主に三つのことについて考えてみたいと思います。

 ひとつめは「昨シーズンまでの二刀流が影響したか?」というもの。

 答えは「影響はあった」と言うべきでしょう。右足首の怪我は広島カープとの日本シリーズ、バッターとしてファーストベースを踏んだときに起きたのですから、ピッチャーだけをしていれば怪我はなかったのかもしれません。バッターとして出ている以上、リスクは存在します。デッドボールやクロスプレーの可能性だってある。しかし、いまさらそれを否定することはできません。いまだ賛否の多い「二刀流」ではありますが、選手本人がそれに取り組みたいと必死に努力し、監督、球団がそれをサポートし、そしてチームとしても個人としても結果を出している以上、「NO」と言うことはできないでしょう。それくらい僕自身も大谷翔平という選手の魅力に惹きつけられます。

 もうひとつは「そもそも足首の怪我をしていたのだからシーズンに入ってもバッターとしても出場を回避すべきではなかったか?」というもの。

 この答えは「回避することはチームとして難しかった」と言わざるを得ません。開幕時のファイターズは、打線に対して不安がありました。オープン戦でほとんどの主力の調子が上がってこらず、実際首脳陣も頭を悩ませていました。ワールドベースボールクラシックの影響もあったと思います。打線の軸となる昨年の打点王で不動の4番・中田翔選手は侍ジャパン、昨年のホームラン王・レアード選手はメキシコ代表として戦い、ともにオープン戦はまったく調子が上向く気配を見せませんでした。そんな中でバッター・大谷翔平に頼らざるを得ない状況は生まれていた。起用の判断を難しくさせたのは、バッターとしては「全力疾走を除いては」影響がなかったことです。

 質問が多かった三つめはこれに関連します。それは「打ったら走らないくらい割り切れなかったのか?」というもの。
関連:監督・栗山英樹が大谷翔平に手紙を送った、その中身と理由

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建山 義紀

たてやま よしのり

1975年12月26日生まれ。大阪府出身。 98年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着し、6勝をあげる。以降、セットアッパー、ストッパーなどで活躍、日本一にも貢献。2010年オフ、FA権を行使しMLBのテキサス・レンジャーズに入団、13年にはNYヤンキースへ移籍。2014年6月に日本球界復帰(阪神タイガース)しこの年、現役引退。野球解説者として活躍中。


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