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受動的ではなく、常に自分から発信できるボランチに――川崎フロンターレの大島僚太が語るボランチのやりがい

大島僚太さん4月毎日更新 Q10.どこのポジションでプレーしている時が一番楽しいですか?

川崎フロンターレの中盤の要として活躍する大島僚太選手。「ボランチ」というポジションの醍醐味についてお話を聞いた。

――どこのポジションでプレーしている時が一番楽しいですか?

 それはもちろん、ボランチですね。

――全体の動きを把握しなければならないポジションですが、大変ではないですか?

  フロンターレのサッカーについていえば、パスを繋ぐスタイルなのでボランチは相手からのプレッシャーが一番かかるポジションですが、その方がむしろ90分間、集中が切れないかなと。全体を把握することが難しいと感じる時もありますが、首を振るタイミングを常に気を付けてプレーしています。

――ボランチはやりがいがありますか?

 

 はい。自分が前線へと入っていけば攻撃も始まるポジションだと思いますし、守備も後ろの選手に負担をかけないためにボランチが前の選手を動かしたりするので、そういう意味では色々なことを出来るポジションでとてもやりがいを感じます。

――ボランチは攻撃にも守備にも常に参加が求められるポジションだと思いますが、ゴールキーパーやディフェンスラインからの要求と前線からの要求が食い違っていたり、上手く噛み合わないことはありませんか?

 めちゃめちゃあります。それは攻撃をしている時も守備をしている時も。攻撃の時だと、攻撃の選手はもっと人数をかけてほしいと言いますが、後ろの選手からしたら、みんなが前線に上がってしまうとディフェンスとの間に大きなスペースができてしまうので、そんなにかけないでほしいとも言われますし……。守備の時は後ろの選手はまだ待っててほしいけど、前の選手がプレスをかけてしまったら、ポカーンと真ん中が空いてしまいます。
 そういう意見の食い違いはありますが、僕はそんな時、全て自分が発信したこと(スタート)にして、動きの起点になろうと思っています。自分から積極的に次の動きを発信をすれば、チームメイトもそれに合わせてくれます。たとえば、自分が「行け」と先に指示を出して後ろの選手をついてこさせることが出来れば、前にいる選手と多少意見が食い違っていても、「もう後ろが動き出しているから、そうせざるを得ない」という空気を作り出して、連動させることができると思いますし。
 ただ前後の選手からの要求に受動的でいるのではなく、常に自分から発信できればという思いがあります。

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大島 僚太

おおしま りょうた

1993年1月23日生まれ。静岡県出身。Jリーグ・川崎フロンターレに所属するMF。



静岡学園に在籍した高校3年時(2010年)に全日本ユース選手権で青森山田高等学校や名古屋グランパスU-18、横浜F・マリノスユースを下しベスト4に導くなど頭角を現す。その年の11月に川崎フロンターレ入りが決まると、デビューシーズンからスタメンに起用されるなど活躍。2016年5月には日本代表に初選出され、9月には初出場を果たす。またリオデジャネイロオリンピックの日本代表にも選出されている。昨シーズンから川崎フロンターレの背番号「10」として攻守にわたって中心選手として活躍する。


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