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あなどれない、ふくらはぎの「むくみ」 
腎臓病や心不全の可能性も

小さな不調を見逃さない体の「パーツ別」セルフ診断術【下半身編】

現役医師が教える体の「パーツ別」セルフ診断術【下半身編】。
一般的に腹部は上半身だが、今回は肋骨下を下半身と区分。 下腹部、腰周り、下肢の各部にはどんなシグナルが現れ、どのような病気が隠れているのか。森田豊さんにお話を聞いた(『一個人』2017年1月号取材時)。

便や尿の状態は、消化器官の病気を知らせるシグナル 

 肋骨から下には、胃や小腸、大腸といった消化器、それに膀胱といった内臓に、腰や下肢といった運動器官がある。年齢を重ねても、健康的かつ、活動的に生活していくためには重要だ。
 「腹部にある内臓のチェックポイントとして注目してもらいたいのは、尿と便です。消化器や膀胱は、痛みを感じる前に排泄物に変化が現れるのです」。
 確かに内臓は、自分の目で直接見て確かめることはできない。尿や便の状態で、初めて調子がわかるのだ。

 「下痢は様々な原因が考えられます。食生活に気をつけているのに長引くようなら、必ず内視鏡検査を受けてください。難病指定の潰瘍性大腸炎やクローン病は内視鏡検査をしないと判明しません。もし何も見つからないのであれば、過敏性大腸炎です」。
 別名〝各駅停車症候群〟。快速や急行だと駅を通過している間に腹痛が始まると、途中下車できないので、いつも各駅停車に乗ってしまうというもの。ストレスで起こる現代病で、患者が増えている。
 「便と尿は色も確認してください。血液が混ざっていないか、白濁していないかなど、腸や膀胱に違和感を感じなくても、トイレで毎回確認することが、異常を早期に見つけるコツです」。

 他にも下肢の各部位の痛みやむくみ、皮膚の変化なども、内臓の病気の兆候であることがある。
 「下肢の関節に明確な痛みがあるのは、外科的な病気であることが多いのですが、運動もしていないのに足指や関節に突然、激痛が走る時は痛風の可能性があります」。
 痛風は日々の生活習慣の積み重ねによって引き起こされる生活習慣病。下肢の関節痛経験があり、健診などで行われる血液検査の尿酸値が男性であれば7㎎/dl、女性は6㎎/dl以上あれば注意が必要だ。

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森田 豊

もりた ゆたか

医師・医療ジャーナリスト

医学博士。秋田大学卒業後、東京大学大学院医学系研究科を修了。東大病院助手やハーバード大学専任講師の他、いくつかの大病院で医長や部長を務めた。診療科を問わない医療解説や問題に取り組む現役医師、医療ジャーナリスト。


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