「もっと上のレベルで」史上初の大学生トップリーガーへ

写真:斉藤 健仁

 ただ、トップリーグの場合は、Jリーグのような特別指定強化選手というシステムはなく、選手は、個人登録ではなくチーム登録であり、現在、二重登録は認められていない。つまり、パナソニックでプレーすることは、最終学年の4年生として筑波大でプレーすることはできなくなることを意味していた。

 古川監督は「筑波大からトップリーグに出せるのは山沢くらいですが、今後は二重登録の制度も必要になってくる。ルールがない中で、手探りでやってきましたが、大学生の年代に、環境を与えて、いろんなことを経験することが大事」と21歳と将来有望なラガーマンの背中を押した。

開幕戦でいきなり銀河系軍団の「10番」に 

 トップリーグ3連覇中の王者パナソニックで、山沢は、同じSOのポジションでオーストラリア代表経験のあるベリック・バーンズ、日本代表のキャプテンHO堀江翔太、SH田中史朗ら国際経験豊富な選手に揉まれて、開幕戦からいきなり先発出場を果たす。スーパーラグビーでも5度の優勝を誇るロビー・ディーンズ監督の「強化と育成を同時に行う」と先を見据えた方針にもマッチした。

 開幕戦はヤマハ発動機に21-24で敗戦してしまう。相手のプレッシャーもあり、山沢は10番として思うように試合をコントロールはできなかった。「公式戦自体が、すごく久しぶりだったので、試合の最初とか少し焦ってしまった。トップリーグは一人ひとりが強くて、(スペースが)空いていると思っても空いていなかった。今日は何もできなかった」と肩を落とした。

 だが、「才能がある」と評価するディーンズ監督は、その後も我慢強く、若き司令塔を起用し続けて、山沢は8試合で先発、1試合は途中出場と計9試合に出場した。開幕戦こそ黒星だったがチームの8つの白星に貢献し、パナソニックは3位でトップリーグを終えた。山沢は、リーグの中盤以降は落ち着いたプレーを見せており、プレースキッカーも任されて得点源にもなった。

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