「自分の力を証明するチャンスはある」

 

 それでも欧州のラグビーカレンダーは、毎年2月~3月にかけて、イングランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、スコットランド、イタリアの間で、総当たりで行われる国際試合「シックスネーションズ(6カ国対抗)」が開かれる。昨年11月に続いて、ライバルのFBハーフペニーを始めとしたRCトゥーロンに在籍している欧州強豪の選手は代表チームに合流するため、再び、FB五郎丸にはチャンスがやってくることは間違いない。

 またRCトゥーロンは、「シックスネーションズ」中でリーグが中断する2月11日~12日にオーストリアで行われる開催される10人制のクラブ国際大会「ブリスベン グローバル テンズ」への参加も決まった。FB五郎丸も渡豪メンバーに選ばれており、この大会に日本のパナソニックワイルドナイツも参戦するため、日本人対決の期待もかかる。

 昨シーズン「TOP14」準優勝だったRCトゥーロンは、現在5位と、今シーズンはあまり調子がいいといいがたい。また五郎丸もこのままでは終われないだろう。五郎丸は1年契約&1年契約延長オプション付きと現地で報道されており、この1月末から3月にかけての〝ラストチャンス〟を十分にいかさなければ、来季は日本に戻ってくることになる公算が大きい。来シーズンもフランスでプレーするためにも、そして欧州クラブ王者決定戦「ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ」や「TO14」プレーオフにも出場するためにも、奮起に期待したい。

 クラブの名物会長であり、『バンド・デシネ』という漫画で財を成したムラド・ブジェラル氏も「あと数ヶ月ある。自分の力を証明するチャンスはあるのでは」と期待をかける。

 フランスリーグへの移籍が決まった時、FB五郎丸は「2019年はまだ先のことだと思っているので、まずトゥーロンというチームで個人の力を磨きたい。間接的に、このことで日本だけでなくアジアでも盛り上がれば、ラグビー界全体が盛り上がっていくと思います」と意気込んでいた。

 今でも個人的には、FB五郎丸は、ボールを積極的に展開するスーパーラグビーよりも、キックが主体の欧州向きの選手であるという思いは変わらない。シーズンもあと5ヶ月、本人が言うとおり「高い壁」かもしれないが、欧州で唯一奮闘する日本人ラグビー選手、FB五郎丸のチャレンジは続いていく。