【独自】ある日突然、マンガやアニメが買えなくなる!?文化を燃やす「金融検閲」の実態
■不確かな判定基準
不確かな情報に基づく自主規制や基準が不明瞭な判定がもたらす弊害は深刻だ。その運用基準が恣意的にならざるを得ないためだ。
例えば、「マンガ図書館Z」の運営会社には、決済代行会社から特定キーワードを含む作品の削除要請があったが、そのリストには性的な語句だけでなく、「暴行」「被害」といった、一般的な文脈でも使用される単語まで含まれていたという。
また、プラットフォーム側は「ブランド保護」や「社会的責任」を掲げて規制を強化しているが、世界を見渡せば、サプライチェーンにおける児童労働が問題視されているチョコレートやファストファッション、あるいは紛争地域の資金源となる懸念がある金やダイヤモンドなどの取引についてもリスクがあるはずだ。しかし取材をした限り、これらをカード会社が決済を停止したケースはほとんど見当たらなかった。
映像配信業者社長のAさんは、「実在の被害者が存在する深刻な人権侵害が黙認される一方で、法的に合法な創作物が高リスクとして排除されるなど、基準があいまいな状態では改善が難しい。せめて何が原因なのかを教えてほしい」と指摘する。
■見えないルールと私たちへの影響
もちろん、企業がリスク管理として違法コンテンツを排除するのは当然の責務だ。しかし、その対策が「適法なコンテンツ」までをも巻き込んでいるのが現状だ。
好きなマンガやゲームを買い、推しの映像配信を楽しむ…… そんな当たり前のことが、ある日突然できなくなるかもしれない。ちょっと怖い話だが、「『金融検閲』のようなことが起きている」と知っておくだけでも、意味はあるはずだ。
文:BEST T!MES編集部
