【脳梗塞】会社の仕事に関わるのが最高のリハビリだった! 歩けるようになるまでのモチベーションの保ち方【真柄弘継】連載第10回
【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第10回〉
◆退院間近でもないのに、なぜ「家屋調査」を早くしてもらったか?
■9月26日金曜日
タイムトライアル。
3分39秒。
メルツで指の開閉をするも進捗はゆっくりとしたもの。
だからといって焦りはない。
リハビリから戻ると食堂でK本さんが、家族が退院の手続きをしているのを待っていた。
N中さんのときも最後にお会いできたが、K本さんとも最後のお別れができて良かった。
3ヶ月もの間、話し相手になってくれて、本当にありがとうございました!
別れがあれば出会いもある。
食事の席を9月に窓側に変えてもらい、そこで隣同士になったのが、私と同じ脳梗塞で、干支も同じ午年の、ふた回り先輩のN村さん。
食品関係の卸に勤められて、いまは悠々自適なシルバーライフを楽しまれている。
N村さんの病歴や、このリハビリテーション病院へ転院してきた時期からの推測だけれど、私と同じで「落ち込み期」はなかったのではなかろうか?
達観した様子から窺える、とても理知的でユーモアに富んだ人物なのだ。
朝、昼、晩の3食を隣り合わせで食べながら、四方山話をさせていただいている。
N村さんは毎度の食事も楽しまれ、時間を掛けてゆっくりと味わっている姿は、病気でリハビリしている他の高齢者とは明らかに違うのだ。
そんなN村さんが今朝のご飯のときに、なかなか足の回復が思うように進まないのを気にされていた。
「焦らないことですよ」
言えた立場じゃないけど、思わず言ってしまった。
流石N村さん、私が喉の筋肉も麻痺したからか薬が飲み込みづらいとボヤいていたら、
「気にしすぎたらダメだよ」
と声を掛けてくださり、あんまり深く考えないことがストレス防止ということを思い出させてくれたのだ。
N村さんの入院の期限は来年の1月半ばだそうだ。
私の11月21日の期限まで、この関係を続けていきたいものだ。
明後日の家屋調査を前にして、退院後に家の中で課題となることを幾つかリハビリで試してみた。
まずは畳の部屋で立ち上がる練習。
捕まるところがない和室では壁を支えとしながら立ち上がるのだが、これがとっても難しい。
セラピストさんに手助けされて、ようやくなんとか立ち上がることが出来た。
一人では現時点では無理だな。
次に昨日もしたお風呂へ入る練習。
昨日は手摺無しの深目の浴槽を跨いで入ったけど、浴槽にお尻をつくことができなかった。
今日は手摺のある、浴槽も浅めで、浴槽の中に椅子があるお風呂で練習。
手摺と椅子があるだけで全然楽に入れたし、お尻もつくことが出来た。
このような実際の生活で困難なことをチェックして、どのように対処するかを考えるのもリハビリなのだ。
家屋調査は退院が近くなったら、暮らしている家の中での問題点を検証して、どのように対処すればよいかをチェックする目的がある。
退院までまだ日にちのある私が家屋調査をしてもらったのには理由がある。
来月頭に次男の結婚式へ出席するので、一時外泊をするためにお願いしたのだ。
結婚式には車椅子でなく杖で歩いて出席したい。
それがモチベーションとなり早目の車椅子からの脱却となったのかもしれない。
今週からリハビリの質が変わった。
これまでは回復のためのリハビリだった。
今は目標値を高く設定したこともあり、トレーニングのような感じで身体を動かしている。
だからなのか、週の後半ともなると身体のアチコチが筋肉痛だ。
疲労度もこれまでの比じゃない。
気分はアスリートである。
午後、入浴のあとの腕のリハビリで、肩周りのストレッチをしてもらった。
あまりの痛さに息をするのも辛く、さらに関係のない左脚も痛い。
終わって身体に力が入らなくなっていることに驚いた。
なんとも身体というのは不思議なものである。
さらに、その後の今日最後のリハビリである足のときもストレッチが凄まじく、肉体的にというより筋肉的にハードな1日であった。
会社のラインで事務子さんが編集者から無神経な伝言を頼まれて送ってきた。
事務子さんはメンタルが豆腐だから、こんな伝言頼まれて落ち込んでいた。
彼女の凹んだメンタルのケアを私はラインでしたから、リハビリの疲れに余計な疲れが乗っかってヘロヘロ。
私は販売の責任者をしている。
日頃から編集者たちに、立ち寄った書店さんで自社の本が並んでなかったり、並んでいても展示場所が目立ってなかったりしたら報告してほしいと言っていた。
すぐに対処して並べてもらうよう交渉に訪問するためだ。
伝言とは、ある書店さんで自社本が少ないというもの。
それを読んで悲しくなった。
健康なら今すぐ書店さんに行って自社本を並べてくださいとお願いできる。
それが出来ない身体になって、悲痛と表現したいほど心は辛いのだ。
脳梗塞を患い不自由になった身体をリハビリで少しでも良くしようと休職している上司に、いま伝えるタイミングかと?
あまりにも想像力のなさと無神経さに悲しくなった。
脳梗塞は癌と同じで死亡する人も多い、三大疾患の一つだ。
命は助かっても半身不随で残りの人生を寝たきりになる人もいる。
そんな重篤な病に倒れ、リハビリで少しでも身体の機能を回復させようと懸命になっているときに、聞きたい伝言ではない。
リハビリをしていてどんだけ疲れていても、一晩中身体の不具合に脳が反応して覚醒する毎日。
安眠というものが出来ないストレスたるや、ある意味これは拷問を毎晩受けているのと一緒である。
その苦しみたるや、治るのかわからないこともあり、まさに生き地獄というしかない。
その苦しみの真っ最中の人に、業務の伝言をすることの是非がわからない。
こんな人間を雇わなくてはならない、そんな会社の人材不足がとても不安だ。
あまりにも辛くて疲れたから、今日の日記はここまでとする。
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納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。
私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。
(中略)
そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。
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(中略)
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(「はじめに」より抜粋)
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<著者略歴>
高市早苗(たかいち・さなえ)
1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年、第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長に女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。
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