【脳梗塞】車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?【真柄弘継】連載第9回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【脳梗塞】車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?【真柄弘継】連載第9回

【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第9回〉


「まさかオレが!? 脳梗塞に!」ある日突然人生が一変。衝撃の事態に見舞われ仕事現場も大混乱!現役出版局長が綴った「半身不随から社会復帰するまでのリアル奮闘日記」。連載配信前から出版界ですでに話題に!だって名物営業マンですから!

誰もが発症の可能性がである「脳卒中」。実際に経験したものでないと分からない〝過酷な現実と絶望〟。将来の不安を抱えながらも、立ち直るべくスタートした地獄のリハビリ生活を、持ち前の陽気さと前向きな性格でもって日々実直に書き留めていったのが、このユーモラスな実録体験記である

リハビリで復活するまでの様子だけでなく、共に過ごしたセラピストや介護士たちとの交流、社会が抱える医療制度の問題、著者自身の生い立ちや仕事への関わり方まで。 克明に記された出来事の数々は、もしやそれって「明日は我が身!?」との声も!?  笑いあり涙ありの怒涛のリハビリ日記を連載で公開していく。

第9回は「車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?

出版局長の明日はどっちだ!?  50代働き盛りのオッサンは必読!


写真:著者提供

 

第9回

車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?

 

◆リハビリテーション病院には高齢者がわんさか

 

■9月15日月曜日

この日記はラインで友人たちへ送信しており、たまに感想をもらえると嬉しいものだ。

既読はつくけど読んでいるかは不明な友人も。

今のところ未読スルーは一人もいないから、送られて迷惑になっていないと、自分勝手に解釈している。

このリハビリテーション病院には高齢者がわんさかいる。

だからといって、本日は敬老の日でも祝ってもらったりということはない。

頭のしっかりとした高齢者も認知が低下した高齢者も、みな等しくリハビリをするのみである。

休息日明けで自主トレもリハビリもしっかりと負荷をかけていく。

今日は珍しく足一つに手が三つ。

足はトレーニングルームを4周して部屋に戻って自立チェック[注]のための準備。

手はメルツ、腕はストレッチ、最後は全身ストレッチで終える。

 

入院患者さんたちがガラリと入れ替わり、このところは日記を食堂で書いて時間をやり過ごしている。

食事の時間は隣のN村さんと四方山話をしている。

リハビリの合間のその他の時間は寡黙な男だった。

夕食を終えて食堂で日記を書いて、翌日のスケジュールを確認したら、部屋に戻って就寝。

 

[注] 
自立 
リハビリの自立度は、**FIM(機能的自立度評価法)や「障害高齢者の日常生活自立度」**など、いくつかの評価方法があります。 この日記では病院の中での評価基準を基にしています。 
自立1=車椅子で2階フロアは自由に移動できる。 
自立2=車椅子で病院の1階と5階のフロアを自由に移動できる。 
自立3=杖で2階フロアを自由に移動できる。 
自立4=杖で病院の1階と5階のフロアを自由に移動できる。 
自立5=杖無しで2階フロアを自由に移動できる。
 自立6=杖無しで病院の1階と5階のフロアを自由に移動できる。

 

■9月16日火曜日

連休明けの朝は曇天の空。

病院の中は空調が整っているから、テレビで蒸し暑い朝ですと言われてもピンとこない。

どちらかといえば院内はひんやりした朝だもんな。

毎日午前4時頃に訪れる便意が、なぜか今日はまったくない。

朝御飯を食べたら出るかなと思ったけど、9時になってもない。

先月は下痢がしばらく続いたけど、今度はなにかな?

リハビリの時間に催さなければよいのだが、出物腫れ物ところ構わずでは困ってしまうからね。

靴が届いたから早速ではあるが自立のチェックを受ける。

まずはセラピストさん。

部屋の中から廊下に出て、一番遠いラウンジを通ってから食堂へ。

そこで自席へ行って椅子の出し入れ。

もちろん着席も。

そこから雑誌ラックへ行き、一冊手に取って再び自席。

そして雑誌を戻したら部屋に戻ってベッドに腰かけたら終了。

間髪入れずに看護師さんと介護士さんにも同じ動作をチェックしてもらう。

安全確実な歩行で三人から合格をもらう。

ちなみに、いまでは歩きながら気軽な会話もできるようになった。

道中看護師さんと介護士さんと入院当初の思い出を語らいながら歩いた。

介護士のE原さんからは

「何千人と自立チェックの付き添いをしてきたけど、ベスト3に入る綺麗な歩き方だわ」

と絶賛され、どちらかといえば辛口な方だけに気分は最高(笑)

 

今夜22時から明日の5時までに、自室でのトイレ移動のチェックを三人から受けて合格したら、24時間自室の中は杖で移動が可能となる。

1階と5階へも杖で行ける自立4まで、あと少しだ。

この結果は明日の日記で明らかとなる!

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真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

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