【山本モナ】なぜ弁護士を目指し、どうやって司法試験を突破したのか? 結婚・三児の母が編み出した必勝勉強法 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【山本モナ】なぜ弁護士を目指し、どうやって司法試験を突破したのか? 結婚・三児の母が編み出した必勝勉強法

撮影:平山訓生

 

■司法試験合格した直後、やっとできたのが封印していたあのこと

 

 試験勉強に没頭するあまり、息抜きをすることが罪悪感とさえ思っていた時期もありました。わたし、本を読むのが好きなので、小説を読もうと思って、いざ頁をめくるのですが、全然、内容が頭に入ってこないんです。だったら、法律の本を読もうと。そうするとベッドに横になっても、さっきまで読んでいた法律用語が、頭をぐるぐるかけめぐって、全然、眠れないんですよ。だから、今回の後半戦は、今日は勉強を少し早めに切り上げて、ビールを飲もうとか、ちょっとした息抜きタイムを設定して、そこまでは、この暗記を頑張ろうとか、そんなふうにオフの時間もつくって、息抜きをするようにしていました。やっぱり息抜きをすることで脳もリセットされて、また新しい気持ちで継続できることに気がついたんです」

 

写真:著者撮影

 

――家族の反応は?

「子どもが起きている間は、勉強しないようにしていました。長女は、たまに夜中に起きてきて、『まだやってるの?』、『次のテストはいつなの?』、『明日も朝、早いんでしょう。もう寝なよ』って、声をかけてくれたりしましたね。娘なりに心配してくれていたんだと思います」

――合格した瞬間の気持ちは?

「それまで2回、司法試験にチャレンジしていましたが、2年連続、不合格。諦める気持ちはなかったのですが、昨年は本当にショックでした。ある程度、手応えを感じているのに、全力でやっているのに落ちる。だから、不合格だった人は、みんな、そうだとは思いますが、そのダメージは相当でしたね。今回も司法試験後は、考えれば、考えるほど、振り返れば、振り返るほど、自分のミスが浮き彫りになってくるので、不安しかありませんでした。だから、試験が終わったあとは、もう終わったことだから、あとは吉報を待つしかないと、あまり考えないようにはしていましたね。合格の知らせを聞いたときは、もちろん、うれしかったんですけど、歓喜に沸くというよりかは、安堵の気持ちのほうが強かったです。合格した数日後に、司法試験を決意してから、ずっと封印していた韓国ドラマをひとりで深夜3時まで一気見しました。そのとき、じわじわ、わたし、司法試験のプレッシャーからようやく解放されたんだなって」

 

写真:著者提供

 

――今後について。

「来年から司法修習が始まります。その後は、企業法務を中心とした法律事務所で働く予定です。わたし自身、著作権法を専門にしたいと思っています。メディアやエンタメ、生成AIといった分野にも関わっていきたいです。いまテレビをはじめとしたメディアの世界は、大きな過渡期にあり、表現のあり方や見せ方だったり、出演者さんとの契約の問題だったり、いろいろな課題が次々と浮き彫りになっています。アナウンサーとしてのキャリアを生かして、弁護士として、こうした問題に対しても、寄り添いながら、サポートすることができたらと思っています」

――最後に、同世代の女性にメッセージをお願いします。

「もう若くないとか、子どもがまだ小さいとか、そういう外的な要因を並べて、自分自身の可能性の扉に鍵をかけなくてもいいと思うんです。まずは、一度、そういったものは取っ払って、自分は、これから、どうしたいかを考えてみてほしいです。それは、今後の人生の棚卸しにもなるし、気持ちの整理にもつながって、新しい発見や気づきもきっとあるはず。人生は、やってみないと何が起きるか分からない。何かを始めるのに、遅いということはありません。若いときと比べて、記憶力や集中力が落ちていることを体感して、がく然とするかもしれませんが(笑)。とりあえず、この先、自分は、どうしたいのか? どうなりたいのか? を自問自答してみてほしいです。そして、何か新しいことにチャレンジしたいのであれば、その一歩を踏み出してみてほしいですね」

 母として、妻として、ひとりの人間として、さまざまな葛藤や不安を抱えながらも、弁護士になることを決意し、ようやく、そのスタートラインにたどり着いた山本モナさん。新たなチャレンジが、いま、まさに始まろうとしている。

撮影:平山訓生

 

取材・構成:大崎量平

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大崎量平

おおさき りょうへい

記者・編集者

学習院大学文学部哲学科卒業。大学卒業後、医療系出版社、編集プロダクション、フリーランスの編集記者、KKベストセラーズ「月刊CIRCUS」編集部、徳間書店「週刊アサヒ芸能」記者、家電業界誌、光文社「FLASH」記者を経て、2018年より講談社「週刊現代」記者として活動。芸能・スポーツからビジネス、社会評論に関する書籍の構成ライターも務める。

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