電子書籍 VS 紙の本、生き残るのはどっち?年末の大掃除でたどり着いた結論【斉藤啓】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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電子書籍 VS 紙の本、生き残るのはどっち?年末の大掃除でたどり着いた結論【斉藤啓】

どーしたって装丁GUY 第7回

 

■結論、紙の本しか勝たん!

 

 

 電子と紙、双方のメリットとデメリットをスマートに使い分けてコスパがタイパで持続可能がうんちゃらなんちゃらなどという、100%きれいごと&おためごかしで締めよっかな?とも思いましたが、

 いったん、紙だ電子だは置いといて、はて。読書って「いったい何が楽しいんだっけ?」。

 著者によって書かれた内容(コンテンツ)を楽しむことがまずは第一義。本を読むことで自分と違う考え方や視点を獲得できて、これまで自分が見てきた風景が違ってみえること。それが“感動”ってことだとぼくは定義してます。

 そこに、紙の手触りや、匂いや、厚み。鉛筆の書き込みや貼られた付箋。お菓子の脂やこぼしたコーヒーの染み。思わずひきこまれる挿絵。触ってめくって楽しめるよう凝った装丁。お風呂やトイレに置きっぱなしでズタズタに破れ壊れてしまったけど、折に触れてつい読み込んでしまう一冊。そんな読み手の感覚や暮らしのすべてがトッピングのように散りばめられ本に乗っかる。

 なんて、そんなロマンチックでセンチメンタルに過ぎる「紙の本至上主義」もぼくのキャラじゃないんですが、プロの装丁家として、“製品”としての本を客観的・冷徹に観察しても、やはり実体のある紙の本には書き手のコンテンツにプラスして、読み手の体験が乗っかりやすいモノであるといえます。

 スマホやPC内のデジタルぬいぐるみ、と、現実世界リアルのフワフワなぬいぐるみ。愛情をもって所有できるのはどちらか?それを保管スペースや利便性だけで選べるのか?(デジタル彼女とリアル彼女に置き換えてもいーです。)と、まんま本もこれで、答えは明らか。

 コンテンツって言葉は、『情報』を与えられ消費することを意味しない。ぼくらが欲しいコンテンツとはリアルな体験から生まれる感動であるはず。

 とゆうわけで、【電子書籍 VS 紙の本 頂上対決】は、紙の本の大勝利でファイナルアンサー。ぼくはもう一生紙の本しか買いましぇんっ!

 書棚のスペース問題は…ええとどうしよ? てかヤバい、まずは大掃除に戻らなきゃっ。

絵と文:斉藤啓

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斉藤 啓

さいとう けい

装丁家 グラフィックデザイナー アートディレクター

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科中退。有限会社ブッダプロダクションズ代表。メインのお仕事は書籍の装丁ですが、ファッションなどの広告や、企業団体のディレクションなどもやってます。たまにBDAP名義でアーティストも。ヒマな時は山登りかチャリ乗ってます。HIPHOPと麻婆豆腐が好き。ニューヨークADC Distinctive Merit。ニューヨークTDC、ニューヨーク・フェスティバル、ショーモン国際ポスターフェスティバル(仏)ほか国内外のデザインコンペティションで受賞多数。

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