【NHK会長人事】高市政権で急浮上した“剛腕”専務理事の名前。“Kアラート”と警戒する声も…
■ “Kアラート”呼びも
だが、NHK内には小池専務理事の会長候補に対して危惧する声もある。
「報道局長時代には社会部記者による不正請求問題があり厳重注意の上、報酬1ヶ月の10%を自主返納する処分を受けています。また、森友問題では国有地売却問題で現場記者を担当から外し、報道を揉み消したことが発覚。一部の研究者や弁護士有志から当時の会長(上田良一氏)に抗議文が提出されたこともありました。報道局内には、小池さんの頭文字をとって“Kアラート”なんて言い方をする記者もいました。自分にとって出世に響くネガティブなネタは、どんなスクープでも揉み消されるなんて言われていました」(放送記者)
さらには、
「専務理事になってからも、今年2月には、NHKがIT大手の日本IBMに発注していた受信料関係のシステム開発が中止になったことから30億円余りの損出を出しているんです。この案件は営業を担当していた小池さんが責任者でした。受信料を経営の基盤としている“みなさまのNHK”にとっては大失態な問題になっています」(同前)
IBMとは受信料関係の業務全般を支える「営業基幹システム」をクラウドサービスに一新するため、2022年12月に新システムの開発・移行業務を委託する契約を結び、その納期を現行システムの使用期限の27年3月としていた。
ところが昨春、IBMは開発方式の大幅な見直しを申し出、その後、納期についても1年6カ月以上の延長を要望してきた。NHKは事業継続に「甚大な支障が生じる」とし、契約を一方的に解除。IBM社に対して支払った代金の返還を求めて訴訟を起こした。この時にNHK側の責任者だったのが小池専務理事で、システムの更新には約80億円をかけた計画だったそう。
結局、NHKは現行システムを活用し続けることになり、24年度の中間財務諸表で約30億円の特別損失を計上しているのだ。
「この問題に対しての小池さんの責任は宙に浮いた状態となっているのですが、さすがに30億円という巨額損失というのは何らかの説明が必要だとは思いますけどね」と言われている。
最近でも、民放各社との間で取り組んできた中継局の共同利用。
NHKは600億円を捻出して子会社を在京5社の民放と運営することで進められてきたが、ここにきて「採算が取れない」と、突然に見直しを言い出した。
放送関係者の間から「IBMと類似した案件」とも言われているが、これも経営企画統括の立場にある小池専務理事の案件だけに、局内では「難問を解決しないで会長候補は…」と疑問の声も上がっている。
自民党が「解党的な出直し」を訴えて選出したのが高市新総裁だが、NHKは「解体的な出直し」はどう転んでも難しそうなのである。
文:BEST T!MES編集部
