元南海の「韋駄天」広瀬叔功さん死去、89歳 5年連続盗塁王など歴代2位の596盗塁達成

プロ野球南海のリードオフマンで歴代2位の596盗塁を記録。南海の監督も務めた広瀬叔功(ひろせ・よしのり)さんが亡くなっていたことが5日、分かった。89歳だった。
故・野村克也さんや故・杉浦忠さんとともに故・鶴岡一人監督率いる南海の顔として大活躍した。ニックネームは『チョロ』。鶴岡監督はチームを引き締めるために“叱られ役”を設け、「おっちょこちょいだから良く怒られた」ことから、その名が付けられたという。
一方、同僚だった野村さんからは「天才」とも言われ通算2157安打、596盗塁は福本豊(阪急)に次ぐ2位。俊足、好打、強肩に加え、天性の野球勘で数々の記録を作り、タイトルを獲得していた。
1961年から5年連続盗塁王。63年には首位打者にも輝いたが当時、「2冠」は史上初の快挙だった。「大事な場面で確実に盗塁する」というポリシーで、盗塁死はわずか123回。成功率は福本の78・1%を大きく上回る82・9%を誇り、300盗塁以上の選手では長らくプロ野球記録だった。さらに、64年には31連続盗塁成功をマークしている。
77年に引退。78年から80年まで南海の監督をつとめ、91年から2年間は南海の後身「ダイエー」でコーチを務めた。その後は地元広島に戻って、NHKの解説者やスポーツ新聞の評論家を務めた。99年に野球殿堂入り。
文:BEST T!MES編集部
