婚活のレールを降りた43歳美女が「今が一番幸せ」と誇れるワケ。転機となったのは母の言葉【谷口友妃】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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婚活のレールを降りた43歳美女が「今が一番幸せ」と誇れるワケ。転機となったのは母の言葉【谷口友妃】

ミドル独女~私たちのホンネ~ 43歳真弓さんの場合

▲可視化されづらいミドル独身女性のホンネに迫ります ※写真はイメージ

「あの人は美人なのになぜ結婚しないのだろうか」そんな存在があなたの身の回りにもいるのではないだろうか。

生涯未婚率が上昇を続ける今の世の中では、独身のまま生きる人は、珍しくない。

とは言えアラフォーになっても独身でいる女性の声はまだ十分にすくいきれていない。

当事者たちも、世間の反応に居心地の悪さを感じることは多い。

いったい彼女たちは、何を思い、どんな経緯で独身を選んでいるのだろうか。

ミドル独女当事者のライターが、取材を通してその理由に迫っていく。


■苦痛でしかなかった婚活

 

「婚活は、職場で受けていたパワハラ以上に苦しかったです」

 そう語るのは、都内の化粧品メーカーで営業事務の仕事をしている真弓さん(仮名、43歳)だ。

 20代のアパレル店長時代、過酷なノルマとプレッシャーから睡眠障害やパニック障害に追い込まれた経験を持つ彼女にとって、それ以上に辛かったのが婚活だった。

 ぱっちりした目をしていて、華やかな雰囲気をまとう真弓さんは、芸能人で言えば香里奈に似ている。美容好きなので、友人から“美容番長”と呼ばれることもある。大食い・大酒飲みなのにやせ型。開放的な性格から、初対面の人とも垣根ナシに接することができ、男女問わず、すぐに仲良くなれる。

 バーで飲んでいるときに声を掛けられ、やがて深い仲になった“彼氏”は一人や二人ではなかった。完全にモテ女子だった真弓さん。10代の頃から彼氏をつくる機会には事欠かなかったが、婚活には前向きになれなかった。

「ああ、男の人と会わなきゃいけないなって思うと、テンションが本当に上がらなくて。お見合いパーティ・マッチングアプリ・異業種交流会・メディアが主催する婚活イベントなど、さまざま試したけど、毎回疲れていました。行きたくて行くということは、一度もなかったです」

 笑顔をつくり、相手に合わせ、会話を盛り上げる。自分とは違うキャラクターを、「選ばれる」ために演じなければいけないことは、真弓さんにとって苦痛以外の何物でもなかった。

 

▲婚活イベントにも多く参加したが、疲れてしまった

 

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谷口 友妃

たにぐち ゆき

幼少期に父を亡くしシングルマザーの家庭で育つ。心臓病の母との生活で感じた社会の歪みや、働く意味を求めて天職探しをした経験などから「仕事と生きがい」、「幸せな社会のつくり方」などのテーマに関心を持つ。2014年から執筆業を始め、多様な業界で働く人を紹介する社内報の巻頭記事や医療情報の取材記事、介護問題を扱う著名人の連載インタビュー企画などを担当。過去に取材した人の数は2000人以上にのぼる。読売新聞オンライン、みんなの介護「賢人論。」などに記事を執筆。

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