小泉進次郎総裁候補が進める「給付型税額控除」は貧乏人に優しいか?【密着自民党総裁選2025 #2 林直人】
■地元に利益誘導をすることを好まない政治姿勢と疲弊する地方都市
一方で横須賀を含めた地方都市が疲弊していることも確かだ。
日産の追浜(おっぱま)工場は閉鎖され、数千人規模の労働者が路頭に迷っている。また、それによる地元経済への影響も深刻だ。横須賀の人々はかつては「武士は食わねど高楊枝」を決め込むこともできたが、これからの都市の変遷次第では「ゼロ確の帝王(選挙が終わった20時00分に当選確実が出る)」だった小泉進次郎氏といえど危うくなる展開もありうる。
実際それを感じさせるエピソードもいくつかある。
たとえば、かつて自民党で総理総裁を3人も出した群馬県では今参政党の勢いが凄まじい。自民党議員にあと1万票あまりまで迫り決して無視できない規模になりつつある。そのためか、福田達夫議員は今回総裁選にはかかわらずもっぱら地元行脚を決め込んでいるという話だ。
神奈川でもこうした自民党への逆風は激しい。幹事長経験者である大物政治家甘利明氏の落選、小泉進次郎氏の地元でも三浦市長は落選し、横須賀市長も危ういところまで追いやられた。しかし、ここで勝ち星を掴んだことが、小泉進次郎氏の総裁選出馬につながった。
いずれにしても、今自民党はどんな大物議員でも安泰ということがない。非常に危うい立場に立たされている。そうした中でやはり生活が苦しい人々の声を無視できなくなっていることは確かである。
その時に必要なのは、真に「情の政治家」であることは間違いない。
文:林直人