【最終章】疑惑のAIスタートアップ・オルツ社「株価5円」で上場廃止へ…株主激怒で損害賠償請求も

7月に売上過大計上問題で衝撃的な調査結果を公表したAIスタートアップのオルツ社が、ついに上場廃止の最終局面を迎えた。東京証券取引所は7月30日付でオルツ株の上場廃止を決定。8月31日をもって正式に上場廃止となり、約10か月で退場となった。
オルツは7月の監理銘柄指定を経て、7月30日より整理銘柄に指定されていた。7月末時点で株価はすでに50円台まで落ち込んでいたが、そこからさらに底を掘り、8月29日の最終取引日は5円で取引を終了。3月末の500円台からは100分の1になった。
第三者委員会の調査で明らかになった売上過大計上の実態は衝撃的だった。主力商品「AI GIJIROKU」の売上について、2022年12月期は91.3%、2023年12月期は91.0%、2024年12月期でも82.3%が実際には存在しない売上だったという。
また、個人投資家を中心とした株主から、数億円規模の損害賠償請求の動きも出ているという。虚偽の情報開示により投資判断を誤らせられ、損害を被った投資家たちは激怒しているだろう。
かつて「AIクローン」で人々を労働から解放するという壮大なビジョンを掲げ、「すごいベンチャー100」にも選出された同社。しかし、その実態は架空売上に支えられた虚構の成長だった。これから上場を目指す日本のAI企業、スタートアップに与えた悪影響も図り知れない。
文:BEST T!MES編集部