パチンコ業界の“票の工場” ついに暴かれるーー阿部恭久候補を支える幹部逮捕「ネオンの裏で票が動いた」【林直人】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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パチンコ業界の“票の工場” ついに暴かれるーー阿部恭久候補を支える幹部逮捕「ネオンの裏で票が動いた」【林直人】

イメージ写真:PIXTA

 

【第3部】“数字の法廷”が暴いた

      ーーパチンコ密度と自民党票の禁断の数式

 

◾️3.1 OLS――政治の闇を裁く冷酷な刃

 本研究で用いたのは、統計学の“断頭台”とも呼べる 多重線形回帰分析(OLS) だ。目的はただひとつ――パチンコホールの密度が自民党の得票率に及ぼす“純粋な”影響を、社会経済的ノイズを削ぎ落とした状態で白日の下にさらすこと。

 言い換えれば、「地方の高齢化だから」「経済が停滞しているから」といった言い訳を剥ぎ取り、最後に残る“生の因果”を測り取る作業である。

 その結果、数字は容赦なく、パチンコホールと自民党の票が“不可分の関係”にあることを告発した。

 

◾️3.2 数式の中に潜む“政治工作”の構図

 分析モデルはこうだ:

 ここで、β₁――パチンコ密度の係数こそが、この研究の「黒幕」を示す数字だ。

 他の変数(高齢化、失業率、農業依存度、進学率…)をすべて押さえ込んだ上でなお、パチンコホールの密度が自民党票を“押し上げる”という衝撃の事実が残ったのである。

 この方程式は、まさに 「ネオン街の数式」=自民党の得票マシーンの設計図 に他ならない。

 

◾️3.3 多重共線性――“地方性”という偽装の罠

 もちろん業界や与党はこう反論するだろう。「地方には高齢者も農家も多い。だから票が出るだけだ」と。

 しかし、その主張が偽装であることを暴くのが VIF(分散拡大要因) だ。高齢化や農業人口と相関があったとしても、統計的に精緻に切り分ければ、なお残る“パチンコ効果”が存在する。

 つまり 「地方だから自民党」ではなく「パチンコがあるから自民党」 という構図が、数字の奥から露わになったのだ。

 

◾️3.4 空間的自己相関――“九州・東北・北関東”の赤裸々な共鳴

 さらに見逃せないのは 空間的自己相関 だ。パチンコホールは九州・北関東・東北に偏在し、これらの地域は文化・経済・人口動態も似通う。つまり隣接する県が互いに響き合い、票田の“共鳴現象”を引き起こしている。

 その結果、OLSの前提条件は脆くも崩れ、統計的有意性は過大評価されている恐れがある。だが逆に言えば、そこまでしてもなお浮かび上がる“有意な関係”は、単なる偶然や地域特性では説明できない、もっと暗い力学を物語っている。

次のページこれが分析結果だ!

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。連絡先:https://x.com/everydayjukucho

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