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なぜ「早稲田大学」公表?神野藍×イシケン対談で“ほどく”AV女優時代「演技はポジ、でも私はネガ」

本屋B&Bトークショー 石田健×神野藍「キャラクターとして生きる」より

■「視聴者受けをよくするには、いかにウソをつけるか」

 

  一方でAVでは、例えば看護師などの役割が与えられて、現実では全く経験したことがない虚構の役割を演じることも求められる。

 その中で「視聴者受けをよくするには、いかにウソをつけるか」の世界になっていることも神野さんは明かした。そして「優等生である『渡辺まお』がギャル役を演じることもある。色々な役と自分を照らし合わせていました。その過程で自分との“ズレ”がどんどん生まれていった」と振り返った。

 石田氏は「演技をしている時はポジティブなのか、ネガティブな心境なのか。ネガがうっすらあったんじゃないか」と深堀り質問。

 これに神野さんは「仕事ができる=演技ができるという意味ではポジなんだけど…やっぱり自分の作品が世に出てよくわからない(視聴者の)妄想が返ってくると、ああ始まったなと。気持ち悪いコメントが返ってくる中で気疲れが蓄積していった」と告白。

 続けて「当時は女優としての『渡辺まお』と普通の大学生としての『私』がいた。私の場合は大学名を出していて『私』と『渡辺まお』がかぶっている部分が多かった。『渡辺まお』という盾を使ったとして結局自分に返ってきてしまう。そうすると疲れていって、結局こういう形の本になった」と語り、「『渡辺まお』として演技をすることはポジではあるけれど、個人の『私』としてはネガだったのかな」とまとめた。

 

▲神野藍さん初の著書『私をほどく』

 

 トークショーでは石田氏の内面がほどかれる場面も。今、ニュース解説者“イシケン”として各メディアで活躍してるが「そもそも解説という行為自体が暴力的だなとは思います。オリエンタルな場所に行って笑う欲望と解説は根本的に変わらない。そういう意味で自分の中に悪辣なものがあるなとは思っています」と自己分析していたのが印象的だった。

 また神野さんからも終盤、イベント参加者との応答から、AV出演、エッセイ執筆に続く新境地を予感させる発言が飛び出して…最後まで見逃せない2時間となった。

取材・文:BEST T!MES編集部


当日のトークショーのアーカイブがpeatixで販売中!視聴期間:2025年8月20日(水)〜2025年9月20日(土)


 

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