参政党を支えてるのはカルトとマルチ? 統計学で暴く参政党のバックとは?【林直人】
Ⅵ. 参政党の“影の帝国”
—マルチ商法・新興宗教・ネット工作が織りなす新保守ネットワークの全貌ー
「参政党は一時的なブームではない」ーーこの衝撃的な事実が、2022年と2025年の参院選データ、オンライン検索トレンド、そして地域ごとの徹底的な統計分析によって裏付けられた。
我々が突き止めたのは、票を押し上げる“見えない力”の存在だ。それは、マルチ商法に親和的な経済活動と、特定の保守的価値観を掲げる新興宗教の拠点が、地図上で重なる地点に潜んでいた。
◾️6-1 自民党を侵食する“静かな内戦”
かつて「包括政党」として保守層を丸ごと抱え込んできた自民党。その牙城に、静かに亀裂が走っている。
発端は、LGBT理解増進法や外国人材受け入れ拡大といった政策——都市部では歓迎された改革が、地方や宗教色の強い地域では“裏切り”と受け止められたのだ。
結果、右派の一角が参政党へと雪崩を打って流れ込み、保守陣営の中で見えざる内戦が進行中。この流れは、もはや一過性ではない。
◾️6-2 野党の悪夢ーー“反自民票”は奪えない
立憲民主党をはじめとする中道左派は、当然この新しい反自民層を狙う。しかし、その土台にあるのはリベラルとは真逆の世界観ーー文化的な不安、科学不信、そしてグローバリズムへの拒絶だ。
選挙戦術を駆使しても、彼らの心を動かすことは難しい。参政党は、左右のイデオロギー地図をねじ曲げ、政治の対立軸そのものを再構築している。
◾️6-3 政治動員の“新型ウイルス”
かつて政治は、利益誘導型のネットワークーー補助金や公共事業を通じて票を固めるクリエンテリズムーーで動いていた。
だが参政党は違う。**ライフスタイル・食・健康・世界観の共有を軸に、オンラインとオフラインを融合した“新型動員モデル”**を作り上げたのだ。
テレビを通さず、SNSで直接信者的支持者に語りかけるその手法は、既存政党を無力化する“政治のウイルス”となって広がっている。
【結論】——参政党は止まらない
この現象の裏には、長期停滞、社会流動化、グローバル化による文化摩擦がある。人々は経済的・文化的・身体的な安全を脅かされる中で、既存政治の外に救済を求めた。
そして、参政党はその“空白地帯”を埋める唯一の旗手となった。
もし既存政党がこの新しい有権者ブロックの不安と不信に真正面から向き合わなければ、参政党は日本政治の勢力図を塗り替える黒船として走り続けるだろう。
文:林直人