“憧れ”は買収できる?──ジャングリア森岡毅CEOが仕掛けた“提灯地獄”の裏側と、デマゴーグの大衆蔑視【林直人】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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“憧れ”は買収できる?──ジャングリア森岡毅CEOが仕掛けた“提灯地獄”の裏側と、デマゴーグの大衆蔑視【林直人】

現実空間とはあまりに大きくかけ離れた公式サイトのイメージ画像。これは詐欺広告ではないのか!?

  

「人間は“憧れ”に金を出す」

「脳をマーケティングで操作すれば、誰でも消費する」

――森岡毅CEO『テーマパーク戦略』インタビューより

 

 沖縄の熱帯ジャングルに700億円を注ぎ込んで誕生した「ジャングリア」。開業当初、SNS上には夢のような投稿が連日溢れた。ハッシュタグは美しく整えられ、インフルエンサーたちが一様に絶賛。だが、数日後、一般来場者による地獄絵図のような口コミが噴出する。

 

2時間待ち」「英語非対応」「炎天下」「プレミアムでも乗れない」

──この乖離は偶然ではない。戦略的に作られた虚構である。

  

■「非日常=上級の証明」──“提灯憧れ投稿”の演出計画

 

 森岡氏はインタビューでこう明言する。

 

「人は、社会的に優位な体験に憧れ、金を出す」

「脳を刺激する“上級な非日常”を与えることで、需要が生まれる」

 

 まさにこの論理に従い、ジャングリアは開業前からホリエモンはじめ“選ばれしインフルエンサー”だけを招待し、SNS上に“理想的消費像”をバラ撒いた。

 

「貸切同然のアトラクション」

「避暑エリアや優遇動線の提供」

#ジャングリア最高」「#沖縄で南国バカンス」

 

 だがこれは、“選ばれた人間の幻想”でしかなかった。

  一般来場者が同じ体験をすることはなかった。チケットを買い、長時間並び、熱中症に倒れ、それでも「嘘だった」とは誰も言わない仕組みが既に完成していた。

次のページインフルエンサー=“仕込み兵”という戦略兵器。一般客は“人柱”だった?

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✴︎著者緊急告知✴︎

筆者である林直人はジャングリアの少数株主(推定5%程度)である近鉄GHD様の株を株主総会に必要な数だけ購入した上で、近鉄GHD様の株主総会でジャングリアの実態について質問する予定です。

趣旨に賛同される方、株主総会参加(100株30万円程度)・株主総会での株主提案の提出(30000株1億円程度)の近鉄GHD株取得を検討されている方は下記のメールアドレスまでご連絡ください。近鉄GHD様への共同提案などの可能性を探りたいと考えております。

yourmanifestojp@gmail.com

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。

著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。

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