ジャングリアに流れた公的資金を含む700億円の闇――国民の血税が“テーマパーク詐欺”に消える日【林直人】

◾️機能しなかった審査機関ーー杜撰なデューデリジェンス
融資判断において最も問われるべきは、受託者責任の所在だ。
国民の資金を動かす以上、金融機関には厳格なデューデリジェンスが求められる。
だが本レポートが明らかにしたアトラクションの処理能力不足は、すべて公開情報。
専門家でなくとも確認できたはずの構造的な欠陥を、商工中金をはじめとする金融機関は見逃した。
いや、見逃したのではない。見て見ぬふりをしたと疑われても仕方ない。
◾️沖縄振興の名を借りた“地雷投資”
この融資の名目は「沖縄県の持続的な観光開発への貢献」。
だが、来場者の満足度が著しく低く、悪評が広がれば、観光地としてのブランドが毀損され、むしろ逆効果である。
これは「地域振興」の名を借りた、観光破壊ビジネスへの公的加担だ。
沖縄県の観光戦略では「高付加価値・高満足度」が掲げられている。
ジャングリアはその正反対。低満足・高負荷・高離脱率。
この矛盾に資金が流れたという事実は、地方経済政策に対する国家の信頼を大きく揺るがす。