2025年参院選、いかがわしい政治屋が跋扈する現代日本の混乱を夏目漱石は予言していた(後編)【近田春夫×適菜収】
【近田春夫×適菜収】新連載「言葉とハサミは使いよう」第7回
■なぜ引きこもることにしたのか?
適菜:参政党は連日のように問題を起こしているじゃないですか。私は時事ネタに言及するのは本当にやめたいから、参政党は新ネタを放り投げてこないでほしいのですが。
近田:しかしなぁ、君は体質として時事好きだからねぇ(笑)。あんまり我慢すると身体に毒よ。
適菜:だから、ニュースとかSNSとかを物理的に見ないようにしようと思います。ツイッターはすでに縮小モードにしました。一時期、ボットで記事を流していたので、それが膨大にあるので、2万件くらい削除しました。
近田:過去は全ていらないね。ここからどうしたいか。それだけなのでは?
適菜:私は引きこもることにしました。引きこもりの知り合いに、「引きこもりになるにはどうすればいいか」と聞いたら、まずはAmazonでコカコーラゼロを箱で買っておくことと、ウーバーイーツでマクドナルドを買ったほうがいいと言われました。クーポン券の入手方法まで教わりました。
近田:本気? その辺りの動機を知りたいと思う人間も多いのでは?
適菜:政治についていろいろ言ってもあまり意味がないということです。別に絶望したとかそういうことではなくて、すでに日本は末期症状に入っているので、このまま突き進むだろうという判断です。「無責任なことを言うな、もっと明るい話をしろ」と言う人がいるかもしれませんが、末期がんの患者に「頑張れば未来がある」と言うほうが無責任でしょう。それでも、参政党のようなネオナチもどきが出てきたら、戦いますけどね。
近田:今僕は音楽家というスタンスですが、適菜さんは?
適菜:今は無職です。強いて言えば、時評をやめただけなので、作家ではあります。
近田:なるほど。
適菜:音楽の仕事は少し増やしたいです。歌詞の仕事、ありましたら紹介してください。
近田:是非だよ!
適菜:和歌もポップスの歌詞も同じですよね。感が極まり、それが言葉になるわけですから。
近田:それに近いことを俵万智が言ってたよ。
適菜:俵万智さんには私は影響を受けているかもしれません。昔、「あの土地がいいねと昭恵が言ったから5月2日は森友記念日」という句をつくりました。
近田:受ける〜。