レタスをパクついても腸には無力だった…“夏の不腸”防ぐ最新知見を大学教授らシェア |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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レタスをパクついても腸には無力だった…“夏の不腸”防ぐ最新知見を大学教授らシェア

日本ケロッグセミナーより

▲レタスの効果は200分の1!?

 

 以前、BEST T!MESでお伝えした便秘による経済損失(年収122万円ダウン)の衝撃に続き、今度は夏特有の便秘問題に新たな脅威が発覚した。6月、日本ケロッグ合同会社が開催したプレスセミナーが「夏の暑さに潜む意外な不腸連鎖」をテーマに行われ、識者が最新知見をシェアした。

 まず、国立消化器・内視鏡クリニックの吉汲祐加子院長が登壇し、“猛暑便秘”の怖さを解説した。

 実は便秘にも季節性があり、吉汲院長のクリニックのデータでは、夏は年間平均と比較して2割弱も症例が多いという。また、近年の猛暑では水分不足による“大腸の砂漠化”や、過去最悪レベルに高まっている紫外線に警戒すべきだとした。

 そして今、学術界では「腸皮膚相関」がキーワードになっていることも明かした。腸内細菌の数と顔面皮膚老化の関係を示す論文なども発表されているとのこと。吉汲氏自身も今秋、この分野の著書を発売予定だということで、力を入れて研究しているようだった。

 続いて、大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授が登壇し、食物繊維の最新知見をシェアした。

 青江教授は前回のセミナーに引き続き穀物由来、発酵性の食物繊維摂取の大切さを訴えた。まず、1日3サービングの全粒穀物摂取で、糖尿病死亡率やがん死亡率などが有意にリスク低下するという衝撃の研究結果を示した。

 ほかにも発酵性食物繊維の健康効果はさまざまある。「感染症・抗生物質による下痢の有病率と期間を減らす」「心血管疾患のいくつかの危険因子を下げる」「満腹感と体重減少を促進し、肥満を予防する」などこれでもかと、たたみかける。

 食物繊維を何からとるのがいいのか? 青江氏の話で興味深かったのは、野菜は万能ではないということ。基本的に野菜は水分量が多く、根菜類でないと食物繊維の量は多く含まれていないという。レタスなどをパクついても腸は良くならないということか。「食物繊維は穀物からとってください」と青江教授は強調した。続けて、現在の日本人の発酵性食物繊維摂取量は不足しており、「現在の食生活にプラス3g加えるだけで十分な効果が期待できる」と具体的な数字を出してアドバイスしてくれた。

 最後には日本ケロッグが自社製品をPR。同社の主力商品「オールブラン」は1食あたりの発酵性食物繊維量が圧倒的に多く、なんとレタス0.02gに対してオールブランは4.4g——約200倍の数字を叩き出していた。ここまでの話を聞いていると、オールブランを買うしかないのか、と思わされる見事な流れであった。

 また当日は、「オールブランちょい足しレシピ」も提供された。サバサンドが食べ応えがあり、読者にオススメしたい。

 

▲変化球メニューも多かったが、サバサンドが一番だった 写真:編集部

 

取材・文:BEST T!MES編集部

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