真っ当に生きようと思うならフルーツを食べるべきである!【適菜収】
【新連載】厭世的生き方のすすめ! 第6回

■栗やアーモンドはフルーツなのか?
体重を落とすためには、間食をしたほうがいい。間食は血糖値の変動を穏やかにし、過食を防ぐ。もちろん、お菓子は駄目なので、ドライフルーツやナッツがいい。今、私の仕事場の机の上には、イチジク、クランベリー、ブルーベリー、レーズン、アプリコット(アンズ)などのドライフルーツがある。レーズンはオイルコーティングされていないもの、アプリコットは漂白されていないものを買っている。アーモンドは、塩や油を使っていない素焼きのものを買う。フルーツ平和党はオーガニックだが、参政党のような陰謀論系カルトとは一線を画す。
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昔、甘栗をたまに食べていた。そのとき「栗はフルーツなのか」と疑問に思った。結論から言えば、食品分類上、栗はフルーツである。アーモンドもフルーツである。
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シンガポールには20回以上行ったが、よくフルーツを食べた。「フルーツの女王」はマンゴスチン、「フルーツの王様」はドリアンである。日本では「ドリアンは臭い」と言う人がいるが、その感覚はよくわからない。ドリアンはお腹にもたれるので私は食べないが、あれほど甘くてクリーミーで素晴らしい香りはない。Fairpriceなどの安いスーパーに行けば、店頭に積んであったりするので、つい近くに行きたくなる。
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シンガポールのスーパーではヤシの実が一個100~150円くらいで売っている。それをまとめて買って、冷蔵庫で冷やしておく。皮が削られて薄くなったところがあるので、そこにストローを刺して飲む。慣れてくると、その場所はすぐに見つかる。
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フルーツの香りは人間を幸せにする。人間はもっとフルーツを大切にしたほうがいい。すべてをカネに換算するやつがいる。そういう人間は薄っぺらい。それなら、すべてをフルーツに換算したほうがいい。「今日の失敗はバナナ2本分だな」といったふうに。
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人間だもの、果物だもの。
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山梨県は「フルーツ王国」と呼ばれる。国道20号線を車で走ると、「モモ狩り」「ブドウ狩り」といったのぼり旗が立っている。私は昔からあれが嫌だった。なぜ冷えていないモモやブドウを食べなければならないのかと。「狩り」という言葉も「おやじ狩り」みたいで暴力的で嫌な感じがする。それ以前に、モモやブドウなど大量に食べるようなものではない。
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酒を飲まなくなった後、ミスタードーナツを買ったことがある。チョコレートがかけてあるエンゼルフレンチとオールドファッションを食べたが、なかなかおいしかった。でもあれは高カロリーなので確実に太る。私はドーナツ屋に近づくのはやめた。
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オールドファッションというカクテルがある。グラスに角砂糖を入れ、ビターズを振りかける。そこに氷とバーボンを加えて、レモンやオレンジ、ライムなどを添える。それをマドラーで動かしたり、軽くつぶしたりしながら飲む。完成されたカクテルもいいが、変化していくカクテルもいい。
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世を捨ててもフルーツは捨てないほうがいい。
文:適菜収
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