女優・藤村志保さん(86)が肺炎で死去。大河「秀吉」のねね役で愛された昭和の名女優

時代劇やドラマで活躍した俳優の藤村志保さん(本名静永操=しずなが・みさおが6月12日に肺炎のため死去したことが19日、分かった。86歳。所属のオフィス優が発表した。葬儀は、故人の遺志により近親者のみで執り行った。
同事務所は「これまで度重なる圧迫骨折により療養を続けておりましたが、回復には至りませんでした。ここに生前賜りましたご厚情に深く感謝申し上げますとともに、葬儀は故人の遺志により、近親者のみで執り行いましたことをご報告申し上げます。長年にわたり多くの皆様にご支援いただきましたこと、心より御礼申し上げます」と報告している。
藤村さんは、神奈川県川崎市出身。61年4月に大映京都撮影所に入所。 翌62年4月、主演の市川雷蔵の推薦で島崎藤村の原作を市川崑監督が映画化した「破戒」のヒロイン「お志保」役に大抜てきされ熱演。
テレビドラマにも進出し、65年にはNHK大河ドラマ「秀吉」で緒形拳扮する豊臣秀吉の妻ねねを演じ大河には「三姉妹」(67年)、「天と地と」(69年)などに出演。
バラエティーやナレーションなどマルチな分野でも才能を発揮。 2014年にはNHK大河「軍師官兵衛」でナレーションを務めたが、放送開始直後に背骨を圧迫骨折する大けがを負ったため、収録が困難となり、降板を余儀なくされた。 83年には女優として放送番組向上委員会委員に就任。
85年に臓器移植の取材をもとに「脳死をこえて」を書き上げ、第6回読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞を受賞。自身も腎臓バンクに登録し、衆院法務委員会で参考人として意見を述べたりもした。
98年に毎日映画コンクール田中絹代賞、川崎市文化賞、07年にNHK放送文化賞、12年文化庁長官表彰など受賞歴も多数。
文:BEST T!MES編集部