ビーチ・ボーイズ ブライアン・ウィルソンの死。訃報が続く中、ミュージシャン・近田春夫と作家・適菜収が音楽体験の原点を語る!【近田春夫×適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ビーチ・ボーイズ ブライアン・ウィルソンの死。訃報が続く中、ミュージシャン・近田春夫と作家・適菜収が音楽体験の原点を語る!【近田春夫×適菜収】

【近田春夫×適菜収】新連載「言葉とハサミは使いよう」第4回


「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」のスライ・ストーンに続き、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが亡くなった。スライと同じ享年82。意外と長生き。ドラッグは本当に体に悪いのか。20世紀末の時点で、音楽はいずれタダになると予言していたミュージシャン近田春夫氏と近代大衆社会の末期症状を描き出した『日本崩壊 百の兆候』(KKベストセラーズ)が絶賛発売中の作家適菜氏による異色対談。前回に引き続き、LINE上のやりとりを、そのまま公開する。


ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン氏が死去(2015年7月、写真:INSTARimages/アフロ)

 

■レッド・ツェッペリンと「中2病」

 

近田:前回、スライ・ストーンについてのLINEのやり取りをそのまま載せたけど、ライトだしフレキシブルでいいっすね。これからも、やろうか? 

適菜:やりましょう。

近田:これ今までになかったよね。どんどんやったら面白いよ。どんな話題でも、どっちかが振れば、そこから意外な方向に展開するし! ところで、適菜さん、ブライアン・ウィルソンは全然興味なかったでしょ? 俺も全く聴いてないんだけどさ。しかし訃報が続くよね。

適菜:私もビーチ・ボーイズはあまり聴きませんでした。有名なアルバムを聴いたくらいです。

近田:世代のこともある。適菜さん干支はなんでしたっけ?

適菜:うさぎ年です。

近田:じゃ一緒だぁ! なんか嬉しいねぇ。24歳下なのね。適菜さんはロックよりソウルだもんね。ホントに昔のことよく知っててびっくりだけどさ。

適菜:ロックもそれなりに聴いたのですが、高校生あたりからブラックミュージックを聴くことが多くなりました。ちなみに初めて買ったCDのシングルはガンズ・アンド・ローゼズでした。

近田:ガンズなんだぁ!若い〜。

適菜:中学2年の頃。ガンズがデビューしたばかりで、「Welcome to the Jungle」という曲だったと思います。

近田:俺、もうそのあたりはロックちゃんと聴いてなかったなぁ!

適菜:中学のときはレッド・ツェッペリンをよく聴いていました。

近田:1枚目のアルバムはすげー聴いたよ。

適菜:私は7作目の『Presence』でしょうか。「Achilles Last Stand」とか好きでした。

近田:それにしても適菜さんよくそんな自分の生まれる前の音楽、夢中で聴いてたよね!

適菜:「Presence」は生まれた後でした。中学2年生当時は、まさに「中2病」というやつでしょうか。日本のロックよりイギリスのロックのほうがカッコいいと思っていました。

近田:違うものだったしね。この国でロックを演ろうとするとそのことで頭の中が結構ぐちゃぐちゃになっちゃって、それは未だに解決してないかも。自分のやっていることは、果たしてロックなのだろうか?的な。

適菜:高校生くらいになって、いろいろ聴いていると、イギリスのロックもしょぼいのがたくさんあるし、日本のロックもいいものがたくさんあることに気づきました。それで高校生のときは日本のロックもよく聴くようになりました。

近田:和物はどのあたりでそのことに気付いたの?

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近田春夫×適菜収

ちかだ はるお×てきな おさむ

近田春夫(ちかだ はるお)

音楽家。1951年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。1975年に近田春夫&ハルヲフォンとしてデビュー。その後、近田春夫&ビブラトーンズ、ビブラストーン、President BPM名義でも活動する一方、タレント、ラジオDJ、CM音楽作家、作詞家、作曲家、プロデューサーとして活躍。現在は、バンド「活躍中」、ユニット「LUNASUN」のメンバーとしても活動する。文筆家としては、「週刊文春」にJポップ時評「考えるヒット」を24年にわたり連載。著書に『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』(リトルモア)、『筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』『グループサウンズ』(ともに文春新書)など。最新刊は宮台真司氏との共著『聖と俗  対話による宮台真司クロニクル』(KKベストセラーズ)。

適菜収(てきな・おさむ)

作家。1975年山梨県生まれ。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム近代的人間観の超克』(文春新書)、『安倍でもわかる政治思想入門』、清水忠史との共著『日本共産党政権奪取の条件』、『国賊論 安倍晋三と仲間たち』、日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』『日本をダメにした新B層の研究(以上、KKベストセラーズ)、『ナショナリズムを理解できないバカ』(小学館)、最新刊『コロナと無責任な人たち』『安倍晋三の正体』『自民党の大罪』(祥伝社新書)など著書40冊以上。最新刊は『日本崩壊  百の兆候』(KKベストセラーズ)。「適菜収のメールマガジン」も配信中。https://foomii.com/00171

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