デブはなぜやせないのか。現代社会におけるダイエットの考察【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

デブはなぜやせないのか。現代社会におけるダイエットの考察【適菜収】

【新連載】厭世的生き方のすすめ! 第4回

イメージ写真:PIXTA

 

有酸素運動に意味はないのか

 

 旅館で部屋食のとき、お櫃でご飯が出てくる。私はぬるい温泉が好きなので、函南にある伊豆畑毛温泉に何回か行った。温泉街はなく、三軒ほどの温泉旅館があるだけだ。私は三軒とも泊まったが、そのうちの一軒を「食事控えめプラン」で予約した。

 しかし、夕食の量は多く、さらにお櫃にご飯が二合くらい入っていた。茶碗だと5杯分くらいか。部屋に食事を運んできたおばさんが「ご飯足りなかったら言ってくださいね」と言う。育ち盛りと思われたか?

   *

 昔から疑問に思っているのだが、お櫃に残ったご飯はどうしているのか?

   *

 「ウォーキングなどの有酸素運動より、筋肉をつけて基礎代謝をあげたほうがいい」と言う人もいる。それ自体は間違ってはいないが、歩けば気分がいいし、精神的にも健康になる。ちりも積もれば山となる。1万歩で約300キロカロリーが消費されるので、毎日1万歩なら、月に9000キロカロリーになる。脂肪1キロを減らすには7200キロカロリーの消費が必要になるので、歩いていれば確実に痩せる。

   *

 ダイエットはスポーツの面白さにも近い。メソッド通りにやれば自然に体は仕上がっていく。私は高校生の頃、毎日走っていたのでよくわかるが、理屈がわかれば、誰でも長距離を走ることができる。普通の人がいきなり走ろうとしても無理だが、順番にメニューをこなせば、無理なくスピードが上がっていく。そうなると、走るのが面白くなる。

   *

 面白いことは長続きする。続けることで、さらに面白さを知る。人間の体は我慢することに向いていない。向いていないのだからしないほうがいい。体が軽くなること、小さくなること自体が快感になれば、体は自然に小さくなる。

 

文:適菜収

KEYWORDS:

✴︎KKベストセラーズ新刊 ✴︎

適菜収 著『日本崩壊  百の兆候

絶賛発売中!!

 

 

 

 

※上の画像をクリックするとAmazonページにジャンプします

オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

日本崩壊 百の兆候
日本崩壊 百の兆候
  • 適菜収
  • 2025.05.26
日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
  • 適菜 収
  • 2020.11.05
「保守思想」大全ーー名著に学ぶ本質 (単行本)
「保守思想」大全ーー名著に学ぶ本質 (単行本)
  • 適菜 収
  • 2025.02.03