「名探偵コナン」が赤字体質のJR北を救う?2期連続の黒字に貢献

JR北海道は2025年3月期決算で最終利益46億円を計上し、2期連続の黒字を達成した。前期比で12億円の増益となったこの黒字決算の背景には、映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の「コナン効果」によるインバウンド需要の増加があると分析されている。
函館市を舞台にした映画「名探偵コナン」の関連イベントに合わせて新幹線利用者が増加したという「コナン効果」が、JR北海道の収益改善に貢献した。鉄道運輸収入の伸びに加え、ホテル業や物販・飲食業でも増収増益となったことが黒字確保の原動力となった。
しかし、この黒字決算の裏には依然として厳しい現実がある。さかのぼること2024年度3月決算では、営業利益は499億円の赤字を計上。本業である鉄道事業は赤字体質から脱却できていない。
「コナン効果」などによる一時的な収益改善は明るい兆しだが、北海道の広大な面積と人口密度の低さという構造的問題は依然として存在する。
文:BEST T!MES編集部