【「誤審か否か」だけでは見えてこない <br />選手がピッチで取るべきレフェリーとの距離】 | BEST TiMESコラム

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「誤審か否か」だけでは見えてこない
選手がピッチで取るべきレフェリーとの距離

「現役目線」――サッカー選手、岩政大樹が書き下ろす、サッカーの常識への挑戦

■2試合連続で退場処分を受けたこと

 少し回り道をさせてください。

 小さい頃、僕はわがまま坊主のクソガキで、超がつくほどの負けず嫌いでした。試合が始まれば熱くなり、レフェリーの方にたてついてイライラすることもしばしばでした。試合が終わって冷静になると反省する気持ちは持っていましたが、そんな自分を抑えられずにいました。

 プロに入ってからも、熱さも自分の個性だと思っていた僕は、自分という存在をアピールする意味でも激しさを前面に打ち出していて、レフェリーに対しても感情をぶつけていました。

 あれはプロ2年目の夏でした。僕は2試合連続退場という大きな過ちを犯しました。まず、サンフレッチェ広島との試合で佐藤寿人選手を倒して一発退場となり、1試合の出場停止があけた東京ヴェルディとの試合で今度はイエローカード2枚で退場しました。それも2試合とも前半での退場で、チームはそのいずれの試合も落としました。

 正直、判定自体は僕に厳しいものだったと思います。ただ、問題はそういうことではなかったのです。僕自身のレフェリーの方への接し方に問題があると思いました。

 それから、僕の中で、レフェリーの方と話す言葉や態度を見直していきました。一度ついてしまった印象を塗り替えるのには時間がかかります。僕を要注意人物と認識しているレフェリーの方の印象を覆すのは簡単ではありませんでした。
 そうして自分の在り方を見直していく中で気づいたことがあります。それは多くの人が、サッカーにおけるレフェリーという存在を勘違いしているところがあるということです。

 僕ももちろんその一人でしたが、サッカーにおけるレフェリーとは、「審判」という言葉で表現される存在とは少し違います。なぜなら、サッカーにおけるレフェリングには、「白か黒か(ファウルか否か、どちらのボールか、警告か退場か、など)」を判定するだけでなく、笛を吹いてプレーを止めるか、どこまでのプレーをファウルとするかといった、レフェリーの裁量によって決まるグレーな部分があるからです。

 つまり、サッカーにおけるレフェリーには、試合を公正平等に進めていくと同時に、できるだけその試合を円滑に進めていく役割があり、その点では、レフェリーと選手は、裁く側、裁かれる側と言う関係だけでなく、共に試合を創っていく関係とも言えるのです。

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岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


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