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「嫌な上司」の間違い、直接指摘できる?

小説家・江上剛が訴える、30代における「度胸」の大切さとは

会社で「嫌な上司」の下についたとき、あなたはその人の間違いを直接指摘することができますか? その度胸こそが、30代の自分自身の糧になると小説家の江上剛さんは言います。

 

失敗しても後悔しないと思える覚悟が
30代の自分を支える力に

私は30代の時に初めて管理職になりました。取引先課という十数人いる課のナンバー2です。ところが直属の課長が本当に嫌な人で、「私の家の近くにマイホームを買いなさい。そうすれば出世できるよ」などと自慢げに言う人でした。

この人は私に対してはお世辞を言うほど気を使うのですが、他の部下に対して、特に仕事がなかなかうまくいかない人に対しては逃げ場のない怒り方をするのです。

 

 

さらに、とてもくだらないことでお話しするのも恥ずかしいのですが、課長が管理している課の貯金箱の中身がなくなっていることが判明したのです。この貯金箱は書類に関するミスがあった時に、部下はミス一回につき100円を入れるようにとの課長の発案で設置されたものでした。

いわば罰金の貯金箱ですが、私はこういう手段で部下を縛ることは嫌でしたので、この貯金箱の設置に反対でした。ですから一回も罰金を入れたことがないのです、でも部下は違います。「私も」「私も」と誰もが千円以上も入れていたのです。ですから貯金箱がお金でいっぱいになっているはずなのに、いつの間にか空っぽであることが気になっていたのです。

 

次のページ江上さんが課長を追及してみると……

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江上 剛

えがみ ごう

1954(昭和29)年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。2003年に退行。1997年「第一勧銀総合屋事件」に遭遇し、広報部次長として混乱収拾に尽力。銀行員としての傍ら、2002年『非情銀行』で小説家デビュー。


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