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相手の過失でもノンオペレーションチャージを払うのか

【法律歳時記】レジャーを台無しにしないための法律相談2

夏のレジャーを満喫するために知っておきたい法律の第2弾。今回は、移動にまつわるトラブルについて、アディーレ法律事務所に伺いました。

 

Q せっかくの夏休み、レンタカーを借りて遠出しよう!でも、保険とかよくわからない…「ノンオペレーションチャージ」っていったい何?

「ノンオペレーションチャージ(NOC)とは、レンタカーに修理や清掃が必要になった場合に、修理・清掃期間中その車を利用できないことでレンタカー会社が被る営業損失を補償するために支払われるものです。一言でいうと休車損害の補償であり、修理代とは別個のものなので、通常保険の対象には含まれていないことが多いのではないでしょうか。
 NOCはレンタカー契約(賃貸借契約)の特約として、契約書上に支払義務が定められている場合が多いようです。契約書にサインをして合意している以上、そんな契約をした覚えはないのに!と争ってもNOCの支払い義務を免れることは困難だと思います。ですから、レンタカーを借りる際には契約書をしっかりと読み、わかりにくい条項はきちんと説明を求めることが重要です。 
 また、レンタカー会社によってはNOCの支払いを免除する制度を事前に準備しているところもあるようです。レンタカーを借りる前に是非確認してみることをお勧めします。

 では、もし信号待ちで停車している時に追突されたなど、100%相手に非がある場合にもNOCを負担すべきなのでしょうか。
 レンタカー会社の規約上、借主の過失の有無にかかわらず支払い義務を負うと規定されているのが通常です。ですので、契約上の義務として過失がない場合にもNOCの支払い義務は免除されず、負担しなければならないことになります。
 しかし、相手方の起こした事故によって損害が生じたのですから、相手方に対して損害賠償請求をしていくことは可能でしょう。
なお、NOCに限らずレンタカーの契約で、運転者の指定が要求されているような場合、保険は指定の運転者以外はおりない場合がありますので運転者が変わる可能性がある場合には事前にしっかりと確認しておくことが大切です。」(アディーレ法律事務所・岩沙好幸弁護士)

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