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あなたを苦しめているのは「お母さん病」だった

薬を使わずに「うつ」を治す、精神科医宮島賢也が教えてくれる処方箋

 新年度が始まって約2ヵ月、2016年になって約半年――。5月病と言われる時期も過ぎ、順調に過ごしている人もいる一方で、依然として身体や心の疲れがとれない人もいるのではないでしょうか。
 そんなとき、「自分には無理かもしれない」「なんてダメな人間だろう」など、いろいろな不安が頭をよぎるかもしれません。
 そこで、自分を苦しめる思い込みを「お母さん病」と名づけ、数多くの症例を見てきた精神科医宮島賢也先生に話を伺いました。

 

◆「お母さん病」とはなにか

 うつの原因となる「お母さん病」とは、自分に満足せず、足りないものを他人の評価、お金、仕事などで埋める生き方を、「刷り込まれている心の状態」をさします。
 母親が悪いと追及するものではありません。「お母さん病」を子供に刷り込んだ親たちも「お母さん病」で苦しみつつ、生きてきたのです。

 

◆ストレスにさらされると出てくる「お母さん病」

「幼いときに満足できる愛情を得られず、自分を信じられず、不安が強い心の傾向」を持っている状態や「~でなければいけない」という条件付きの愛のなかで育つと、自己肯定感が弱くなります。
 つらいことでも我慢しなければならない、~ができないと自分は認められない、完璧でなきゃいけない、などの不幸せな思い込みが刷りこまれていきます。
 内面の自信のなさ、不幸せの思い込み、まだまだ足りない感がある、幸せ感に乏しい、これらが内面に巣くっていることを、ぼくは「お母さん病」と呼んでいきます。
「思い込み」を抱えて、仕事や人間関係で大きなストレスにさらされると、それまで隠されていた「お母さん病」が出てきます。
 上司に「こんな仕事でよく給料取ってるな」などの暴言を受けると、「~できないからダメだ」の、「お母さん病」の思い込みがわき上がってきて、さらに自分を追い込んでしまうのです。

 ストレスだけでもつらいうえ、もとから苦しい思い込みがあるので、耐えられずにうつになったり、心身症になったりして、体がメッセージを出すのです。
 ぼくのクリニックを受診して「どうしたいのか?」と聞かれても、「自分は本当は何をしたいのかわからない」という人が多いのです。やりたくないのにやる、ということに慣れてしまって、自分がしたいことに鈍感になってしまっているのです。

 いつも自分に自信が持てない。

 自分が好きになれない。

 生きる喜び、生きる目的がわからない。

 そのような人は、お母さん病を心の奥深くに、持っているのかもしれません。
 だとしても大丈夫です。
 お母さん病に気がつき卒業した時点から、オセロゲームの駒が黒から白になるように、あなたの人生は明るく豊かに変わっていきます。

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みやじま けんや

薬を使わない精神科医

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~プロフィール~

1973年神奈川県生まれ。防衛医科大学校を卒業し、研修中に意欲がわかず精神科を受診、うつ病の診断を受ける。自身が7年間抗うつ剤を使った経験から、「薬でうつは治らない」と気づき、医師以外の人や書物から食生活や人間関係、潜在意識や考え方を変えることの大切さを学び、うつ病を克服する。その経験を踏まえ、患者が自ら悩みに気づき、それを解決するお手伝いをするメンタルセラピーを開発。現在、国際メンタルセラピスト協会専務理事であり、メンタルセラピストの養成を行う。執筆活動とともに、薬に頼らずに自分で健康に幸せになるための講演会も全国各地で実施。

著書に『医者の私が薬を使わず『うつ』を消し去った20の週間』(中経出版)、『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』『同[イラスト図解版]』(以上、河出書房新社)、共著に『安保徹免疫学症状別実践法・入門』(宝島社)、『どうせ生きるなら「バカ」がいい』(村上和雄との共著、水王舎)などがある。


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  • 2014.01.21