自民党「B層選挙戦略」のいま明かされる真実

適菜 中川さんと一度お話したかったんですよ。

中川 オレも嬉しいんですよ。7年前ぐらいに適菜さんは面白いと聞いていて、本を読んだら面白くて、いつか会いたいと思っていたんですね。オレ、一回適菜さんのことを書評で書いて「この人のバカの使い方はセンスがある」と。

適菜 中川さんには『B層の研究』の文庫版の解説も書いてもらいまして。それで昨年の冬に、阿佐ヶ谷ロフトのイベントに飛び入りで参加した。

 あのときは私はすでに完全に酔っ払っていて、中川さんと話したこともほとんど覚えていないんですが、唯一覚えているのが、「B層」という言葉をつくった「スリード」の話。

中川 あれはオレが関わっていた。

適菜 中川さん、スリードにいたんですか?

中川 違うんですよ。あの頃、テリー伊藤と竹中平蔵が登場するパンフレットがありましたよね。あれを作ったのが俺なんですよ。

適菜 そうなんですか。「郵政民営化ってそうだったんだ通信」ですよね。新聞に織り込まれた。あのパンフレットはよく覚えています。

中川 この際だから、全部言いますよ。スリードの、博報堂出身のうさんくさい社長がいるじゃないですか。あいつと、後、なぜかいつも手袋をつけている女がいたんですよ。この二人がやっていて、あいつらが印刷費込みで1億何千万をとって、俺は35万しかもらっていないわけです。阿佐ケ谷ロフトで話したのはたぶんその話ですね。

適菜 あれはどこから発注がきたんでしょうか?

中川 博報堂には13局というところがあって、公共事業をやる部署なんです。オレは昔、そこの仕事で、建設省の仕事をやっていた。某河川の工事事務所の仕事をやった。そういった役所を相手にする部署です。そういった仕事はしていたんですが、後に朝日新聞が「セブン」という若者向けタブロイド紙を2001年に始めた。8号でなくなってしまったんだけど、いや、「セブン」なんだから7号で終わっとけって話ではありますが。その編集長の女性が、後にとある編プロを作るのですね。そういう中、2004年かなんかに郵政省とスリードから、スリードでもないかもしれない。えっと、そこからパンフレットを作ってくれという依頼がきて。俺はその女性の下請けをやった。そこからです。

適菜 共産党の佐々木憲昭さんが、国会で自民党を追求して、B層という言葉が、世の中に広まった。そのときにスリードの住所にスリード社がなかったという話が広がったんですよね。でも、実態はあったんですよね?

中川 一応、その元博報堂13局のおっさんと、なぜか手袋をつけた女はいたんですよ。ちゃんと名刺交換はしているんですけど。

適菜 これはすごい面白い話ですよ。この話はこれまでメディアに出たことはないでしょう。

中川 ない。俺としては35万円しかもらっていないし、予算は1億何千万ということで、なんだこれはと思ったし、編プロの女性社長対してもピンハネしてるんじゃねえか? と思うわけですよ。彼女もスリードがピンハネしてるんじゃねえかと思っていて、彼女はあまりしていないとは思うけど……。もうピンハネの連鎖で激怒ですよ。

 オレが一番末端だけど、クソ仕事ですよ。ニッポン放送のラジオで、テリー伊藤と竹中平蔵が対談して、そこに俺が行って記事を作った。

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