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「GoTo」改め「ワクワクイベント」? 政府の言葉遊びの軽さがコロナ人災を伸ばす【松野大介】

■コロナワクチンの検証がないのに、ワクワクと名付ける日本政府の軽さ

 コメント欄を引用します。

《ふざけた名前で国民を先導するのもいい加減にしてほしい》

《練り直されるたびに知能指数が下がっていく感が‥‥》

《そもそも、GoToにしても、今回のワクワクにしても、大多数の国民がコロナと増税により生活苦を強いられている以上、多少お得になったとしても、お金をそんな遊びやグルメに回す余裕がないのが現実》

《余りに余っているワクチンを打たせたいのが見え見え》

《日本も三回目となるとさすがに厳しくなっているので、こういう撒き餌をしなければならないのでしょう》

「こういう割引をやってもやらなくても、お金に余裕ある人は遊びに使い、余裕がない人は使えない」「コロナワクチンを打たせる政策なのか」という声が多い。

 私はいっかんしてテレビ等メディアのコロナ煽り報道について書いてきた。コロナワクチンに関しては専門家でもないので危険性を主張するのではなく、従来のインフルエンザワクチンよりもはるかに多い接種後の死亡者、副反応者を報じずに接種推進を続けたメディアがフェアではないと書いてきた。

 現在3度目の接種が進まないのは、私の見識では「(コロナを軽んじてはいないが)変異のたびに弱体化して見えること」「ネットや人の話で副反応が心配なこと」などを各々が勘案し、3度目に二の足を踏んでいる、または様子見という感じではないか。(私はメディア論を書いているので思うが、「テレビが副反応を取り上げない」ことが逆に接種への不信を招いた気もしている)

 そこへきて、コロナワクチンの現在の効果をきちんと説明することなく「ワクチン」と「ワクワクする」を掛けてワクワクイベントと名付けてしてしまえる政府には、かなりの国民が呆れるだろう。

 昨年6月に取り上げた小池都知事の「8時にはみんなかえる」(蛙のイラスト入り)等のフリップ芸といい、日本の政治家の言葉遊びの軽さは致命的だ。軽い言葉で国民を扇動できると思っている。実際、私たち従順な日本人は「やれやれ‥‥」と政治に徒労感を持ちつつも従ってしまう傾向がある。

 いい加減、日本のコロナは政治とメディアによる人災も大きいと国民は怒らないと、指定感染症の引き下げ議論も医療拡大も進まずにコロナ禍は延々と続く。

 

文:松野大介

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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