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Scene.12 さぁ、先へ行こう!

高円寺文庫センター物語⑫

サイン会は店内で、イベントは大人数を収容できる会場を借りての第1回目。今日が成功したら、高円寺中の公共施設を駆使したイベント路線を展開できる。

我に返って高円寺会館の広場を見れば、ほかで見慣れたイベント前のお客さんが集まっている光景となっていた!

この人数では開場時間を早めて、お客さんには着席して戴こうと会場に戻った。

既に関係者は、新刊を発売した水声社さんはもちろん販売を担当したブックエンドの門田さん、根本さんの著作が多い青林工藝舎の手塚さんと編集者も来てくれていた。

オープニングの挨拶を済ませて、根本さんのトークにお任せで受付に戻った。

「どうなの、来客数は?」

「関係者も入れたら90名ですよ」

「OK! あとはアンケートの回収を、頼むな。

今日は、初めて打上げするんだよね。居酒屋の手配は大丈夫?

幕間には THE BEATLES のA Day in the Life を流してね」

という具合に、まだまだイベントに手馴れていないので自分たちが主催しても落ち着いて聞き入ることもできない時期だった。

やはり圧倒的に若いお客さんが多く、笑ったり静まり返ったり反応がいまひとつわからなかった。

そのためにもアンケート、お客さんの意見からも今後を模索していかなくちゃ!

いまも、12枚のアンケート用紙が残っている。

各地から来てくれるだけあって、お客さんの熱い想いがアンケート用紙に!

当日は90名の来客で、すべてが回収できたかどうか。それでも、残された資料としては温かく優しい・・・。

高円寺というマーケットを睨みつつ、好き勝手な店づくりだったかも知れない。アンケートを重ねて、ボクらの方針の検証をしていたことは貴重だったと思う。

簡略に、アンケートの回答を見てみよう。

1. イベントを知ったのは、店頭告知が多いが『ブブカ』という雑誌からが3名もいた。

2. イベントの感想は?

奥崎謙三先生のビデオに限って画面がブレだした時「さすが先生」と、思いました。

面白かった。ちょっと難しくもあった、あんまり根本さん知らないの。でも、おもろい。

今日は生ネモケイを初めて拝めて、とても感動です。おもしろかったです。

とてもうれしい。今年最高の出来事。

サイン会で、イラストを描いて下さってとても幸せでした。

3. 今後の期待するイベントは?

お・ま・か・せ

ロフトプラスワンと被ってない独自の企画。サブカルって、たいていやること同じ。

毎月定期的に1・2回ここで、死体写真・漫画・LIVEなど。やってほしい

ライブをして下さい。私も一緒にバンドで出たいので、声かけて下さい。

4. 文庫センターに望むことは?

あまり大きな野望や大義などいりませんので、いまのままでやって下さい。

信念つらぬいてください。普通の本屋とちがうところが好きです。

近くにあったらいいな、国分寺文庫センター。

もっと根本敬関連コーナーを!

初めて来ました。こんにちは。なにやらすごい本屋さんですね。怪物くんグッズが目につきましたが、忍者ハットリくんはないの? 何かあったらFAXして下さい。

5. 好きな本・作家・マイブームなどを、お書きください。

根本先生、宮武外骨、つげさん、蛭子さん、杉作J太郎、楳図かずお、鈴木いづみ、

赤瀬川原平、吉行淳之介、町田康、QJ・マンガシリーズ、変な人観察。

6. 次回のイベントをお知らせしますか?

Yes or No には、みなさんきっちり住所・氏名・年齢・電話番号を書いてくれていた。

この頃は、メールアドレスがなかった! この頃に、SNSがあったらどれほどの武器になっただろう・・・

閑話休題。19才から22才の多いこと、埼玉の大宮・浦和。千葉は市川・松戸。他に川崎や府中とあって、地元ばかりじゃないと認識を改めた。

1. に書かれていた、友達から聞いて、誘われてのネットワークなんだな!

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のがわ かずお

1951年 東京生まれ。書泉を経て、高円寺文庫センター店長。その後、出版社のアートン・ゴマブックス・亜紀書房顧問。本屋B&B、西日本出版社などにかかわる。 温泉とプラモデルと映画を、こよなく愛する妖怪マニア。共著『現代子育て考5.男の子育て』(現代書館)、『独断批評』(第三書館)。


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