葛西敬之〜安倍晋三政権を愛した財界のボス、コロナ対策から日本経済を守り抜く【山本一郎】2020年4月配信記事 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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葛西敬之〜安倍晋三政権を愛した財界のボス、コロナ対策から日本経済を守り抜く【山本一郎】2020年4月配信記事

【連載】「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」

葛西敬之(かさい・よしゆき)。1940年生まれ。東海旅客鉄道名誉会長、学校法人海陽学園理事長、日本政策研究フォーラム副会長、宇宙政策委員会委員長、財政制度等審議会財政制度分科会臨時委員。

 

(2020年4月8日配信記事)

■安倍政権を支えた男、葛西敬之

 私の大好きな経営者にJR東海の葛西敬之さんという人物がおりまして、日本会議メンバーにして第二次安倍内閣樹立を文字通り支えた立役者である超大物財界人であります。ああ、こういう人がいるから日本経済はこうなんだなと思うんですよね。

 日本経済全体をロッテオリオンズとするならば、まさにそのローテーションを全力で支えた伝説の左腕・園川一美的な存在で、戦後最長の宰相となり日本の歴史に名を刻むこと間違いなしの「安倍晋三を支えた男、葛西敬之」ってのはみんなもっとリスペクトしたほうがいいと思います。

 やっぱり政府が「リーマンショック後を超える規模の対策」と銘打っている、4月7日に閣議決定されるという緊急経済対策を打ち出すまでは、日本国民がコロナウイルスに負けた、感染者が急増しているなどという「負け」を日本政府は認めるわけにはいかんのです。負けたと言うまで負けていないのが葛西流の凄みであります。そういう葛西敬之スピリッツにこそ、日本人の日本人たる尊厳が秘められていると思うわけですよ。さすが葛西さんさすが。

 最近だとNHK(日本放送協会)の会長人事に憚らず敢然と介入、JR東海のメインバンクで日本版サグラダファミリアと名高い超大型システムの完成を見ずに勇退したみずほフィナンシャルグループ元代表取締役・前田晃伸さんの起用を安倍さんに直接進言。人をしてみずほFGの疫病神と揶揄されつつも優秀な経営手腕と人柄で買われた人物も汚名挽回・名誉返上、見事にみなさまの視聴料をかき集める大組織のトップとして君臨することになるわけであります。立花孝志のような雑魚い反対運動など何するものぞ。このあたりを見ても、葛西さんには人を見る目があり、心眼を見極められる能力に長けているからこその活躍なのであったと、そう感じるのです。

■4月7日の緊急経済対策までは引っ張れ

 今回のコロナウイルス騒動においては、まさに安倍政権の後見人として、葛西さんご自身が緊急対策を取りまとめる安倍官邸の各人を激励しておられたそうです。何としても7日の緊急経済対策までは引っ張れというご威光が垣間見える瞬間です。大坪寛子さんとの不倫事件を『週刊文春』とかいうけったいな媒体にすっぱ抜かれた総理補佐官・和泉洋人さんともニッコリ。その和泉さんは2005年に大爆発した構造計算書偽造事件、通称「姉歯問題」の際に超運悪く国土交通省大臣官房審議官(住宅局担当)という爆心地に棲息していたため無事炎上。「とても優秀だった」という触れ込みなのにここで運が尽きて慶応義塾大学とかいうレイプ犯の集うクソ大学に厄介払いをされてしまい、もう役人人生も終わりかというところを、現在のガースー黒光り官邸の主・菅義偉さんという人物に拾われて一生の忠誠を誓う懐刀として非常に頑張っておられます。こういう苦労人、私は大好きです。人間万事塞翁が馬、浮き沈みがあっても誠実に働いていれば何時か誰かが救ってくれて、能力に見合った大きい仕事をさせてくれる、これが補佐官吏道・和泉洋人の生きる道なのでありましょう。いや、勉強になります。疑われましたが、あの京都旅行で大坪寛子さんから氷菓子を食べさせてもらう「あーん写真」は私が撮ったのではありません。潔白だ。

 皆から愛され尊敬を集める葛西敬之さん、何を言うのかと思ったらコロナウイルス対策では緊急事態宣言など必要ない、外出自粛要請などせずともコロナウイルス対策は充分に対処可能と仰っていたのだそうです。ですよねー。さすがのご慧眼には敬服しきりです。やっぱり清潔な日本人は手洗いうがい、靴脱いで自宅に上がり毎日風呂に入って髪を洗う、そのような清潔な民族である以上は葛西さんの仰る通りコロナウイルス対策など要らないかもしれないですね。分かります分かります。北海道大学が送り出す世界のジーニアス・西浦博教授が手がけるクラスター対策を充分に実行していけば、日本全国津々浦々はびこるウイルスを個別に叩いて感染拡大は防げて大満足です。いやー、良かった良かった。うるさ方にして量産型塩崎恭久とまで酷評されて可哀想なコロナ担当相・西村康稔さんも、本来の能力が発揮できる素敵な活躍の場が広がって嬉しそうです。やったね西村さん次は重要閣僚だ。何というWINWIN。勝間和代もうっとりであります。足元には疲れ果てた役人の亡骸が転がっていたとしても、目の前の大火災が神風でも吹いてきちんと鎮火できればそれでいいんですよ。さすが葛西敬之さん、美しい日本の官僚組織および官邸政治主導の在り方をよく分かっていらっしゃる。百官篭絡、任命解任自在の人事権さえ安倍ちゃんガースーの鎮座まします官邸にあれば、気に入った忠誠心の高い役人を脇で固めて書類改竄から日銀市場介入までオートモードでやってくれる、そんなパワフルな官邸を作り上げたからこそ安倍晋三政権は22世紀まで続く盤石の体制になっておるわけですよ。自民党総裁4選と言わず、40選でも400選でもやっていただきたい。日本人の誇りにして世界に轟く剛腕そして豪運の士・安倍晋三をもっと信頼しろと言ってるんです、わたくしは。いつの間にかASIMO製ロボ安倍晋三にすり替わっていたとしても誰も気づかないですって。きっとギネス狙えますよ、ギネス。

 

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山本 一郎

やまもと いちろう

著作家、ブロガー、投資家、経営者

1973年東京都生まれ。著作家、ブロガー、投資家、経営者。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2000年IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。著書に『情報革命バブルの崩壊』『俺様国家中国の大経済』『ネットビジネスの終わり』ほか。   ブログ「やまもといちろうオフィシャルブログhttps://lineblog.me/yamamotoichiro/  

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