■売れるものは売る!

 かくして、ローソンでは「スペースパニック」という商品名で当時の取引先と協力してこの通称ミニテトリスを販売することになりました。結果は、なんと年間100万個を売り上げる大ヒット! 1996年、通称ミニテトリスは国内で約600万個が販売されたそうなので、そのうち6分の1をローソンが占めていたことに なります。担当した商品で初めての成功でもあり、非常に思い出深い商品の1つとなりました。

 なお、「スペースパニック」は中国から輸入していましたが、当時の海外工場は、 現在と異なり品質も悪かったのです。電池の接触不良などが起こり、ローソン本社 にもクレームが寄せられました。このため、一部の社員から「こんな商品は売るな!」 と圧力を掛けられたこともあったのです。でも、私は販売を継続することを選びました。問題を無視したわけではありませんよ。不良品に対しては返品交換を行っていましたし、不良品の比率も許容範囲だったと憶えています。

 些細なトラブルが見つかるたびに商品そのものを撤去していたら、売り上げは一 気に落ちてしまう。でも、そんなのバカらしいし、もったいないじゃないですか。 人体に影響する商品であれば話は全く違いますが。だから、狂信的な一部社員の圧力を回避するため、私は会社に行かずに現場を回っていました。当時は携帯電話も 電子メールも一般に普及していなかったので、会社に顔さえ出さなければ連絡もつきません。面倒な小言や文句から簡単に逃げられる時代だったんですよ。     

 それに、ダイエー創業者の中内㓛さんは、日頃から「革新的なことをやれ」と仰っていました。コンビニのバイヤーだった私にとって、通称ミニテトリスの販売はまさに革新的なことだったと思います。

 なにしろ、 90年代半ばまで、コンビニに置かれていた玩具と言えば、シャボン玉や水鉄砲など。300円程度の雑玩具がたまにしか売れないなか、通称ミニテトリスは1980円で100万個も売れたんです。玩具の売り上げ利益は前年比560%に跳ね上がり、この成功が「たまごっち」や「ポケモングッズ」など、その後のコンビニにおける玩具・エンタメ商品の販売・定着へとつながっていったのです。

 

 

 コンビニは日本の誰もが利用する、日本国民が作り上げた、世界最強のリアル小売業であり、そのことに異論を挟む人はいないでしょう。 

 ただし、昨今、コンビニ問題がネットでテレビのニュースで話題となっています。 

 いま必要とされている社会的課題との向き合いは、オーナー・本部ともに大変厳しい戦いとなります。そんな現状と処方箋を、日本の未来になぞらえて、この本を書きました。皆様が感じた異論反論・斬新なアイデアで、前向きな議論が活発化する機会になれば幸いです。

 

では、前回のクイズの答を公開!

Q.コンビニの年間総来店客数は?

 

答え 

②約174億人 (174億2665万人/出典:一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会・2018年)

 

最後に、今回の「数字で見るコンビニクイズ」を出題

Q.コンビニの年間売上高は?

①約1兆9000万円

②約10兆9000万円

③約100兆9000万円

 

コンビニに年間174億人以上が訪れるのです! じっくり考えてみてください。