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大人になっても忘れたくない! イチローが少年野球時代に最も意識したこと

「内側の感覚」を最優先させて行動しよう!

年間262安打の大リーグ新記録、10年連続200安打達成…。イチローの偉大なキャリアは、日々、自分なりの「最善」を尽くすという強い信念で支えられていた。数々の言葉から、人生を切り開くヒントを読み解く。(児玉光雄 著『イチロー流「最善主義」で夢を叶える』より)

■「理屈じゃないんです。体が感じるまま、求めるままにやる」

(少年時代の野球について聞かれて語った言葉)

 現役時代のイチローほど「内側の感覚」を大事にしてバッターボックスに立つ選手を見つけ出すことは、困難だった。彼はデータではなく自らの本能に頼ることを最優先した。

 つまり、真っ白な状態で本能だけを頼りにピッチャーの投げるボールに立ち向かっていったのだ。それは、多くのバッターがその日対戦するピッチャーの過去のデータや特徴を頭の中に叩き込んでバッターボックスに入るのとは、真逆である。

 もちろん、ピッチャーの方も過去のデータでは予測できないような意外性のある球をバッターに投げてくる。だから、過去のデータに縛られると、本能の感度が鈍り、ことはうまく運ばない。そのことを、イチローは過去のキャリアを通して知っていた。

 内側の感覚を磨くために、スポーツの現場で活用されているイメージトレーニングはいまだに私たちを成功に導く強力なスキルである。五感を総動員して頭の中で成功のシーンをリハーサルしておけば、本番でうまくいく確率が高くなる。

 あるいは、F1レーサーや体操のオリンピック代表選手は危険なシーンを回避するリハーサルを頭の中で繰り返しイメージする。イメージを描くことが困難なとき、彼らが実際のアクションを取ることはない。「内側の感覚」を最優先させて目の前の作業を成功に導く。これはビジネスの世界でも通用する大切なスキルである。

KEYWORDS:

イチロー流「最善主義」で夢を叶える

児玉 光雄

他人との比較ではなく、常に自分が定めた目標を基準として、偉大な記録を残してきたイチロー選手。「完璧主義」ではなく、あくまで自己ベストに徹底したその「最善主義」を、引退までの100の言葉から紐解く。巻末付録として、2019年3月21日に行われた引退会見全文も収録。スポーツ心理学のエキスパートである著者による、イチロー本の決定版。

児玉 光雄

こだま みつお

1947年兵庫県生まれ。追手門学院大学特別顧問、元・鹿屋体育大学教授、京都大学工学部卒業。学生時代、テニスプレーヤーとして活躍し、全日本選手権にも出場。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院にも学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員としてオリンピック選手のデータ分析に従事。過去20年以上にわたり臨床スポーツ心理学者としてプロスポーツ選手のメンタルカウンセラーを務める。

また、日本でも数少ないプロスポーツ選手・スポーツ指導者のコメント心理分析のエキスパートとして知られている。主な著書はベストセラーになった『イチロー思考』(東邦出版)をはじめ、『タイガーウッズに学ぶ人生を逆転できる人 できない人』(山と渓谷社)など、200冊以上にのぼる。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

[ホームページアドレス]

http://www.m-kodama.com


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  • 2019.11.27