書店の女性向けエッセイが並んだコーナーへ行くと「結婚しろ」か「独身がいい」と、女性の生き方をいずれかに絞った本が鬼のように並ぶ。そんな最中に「もう令和なんだから結婚にこだわらずに、胸張って楽しく酒でも飲んで生きようぜ!」と綴った人気の、独身女性にとって救世主のような一冊がある。それが『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』。著者の小林久乃さんが、著書の内容をさらに掘り下げた女性が楽しく生きていくコツを『女子楽也』と題して紹介していく。

ハマったら終わりの“同調沼”から脱出する

 KYとは空気が読めない人物の略語。2007年の流行語にノミネートされた言葉だ。ちょっと古臭さは否めないけれど、私は最近になってKYこそ、令和の世の中をスマートに気持ち良く生きる術だと推奨している。この秋に発売した『してしな本(結婚してもしなくてもうるわしきかな人生略)』こそ、その気持ちを伝えたくて書いたようなところがある。このコラムを読んでくれているあなたも、日本に脈々と続く『女子たる者、結婚して、夫に尽くして、子どもを産んで社会に貢献すべし』という、風潮に悩まされてきたことはないだろうか? 

 ちなみに私はずっとこの風潮に同調して、30代のすべてを捧げた。ありとあらゆる婚活に手を出して、なんとか苗字を変えようと必死に頑張った。冷静になって振り返ると結婚のちゃんとした意味も知らなかった。いや、知ろうとする余裕がなかったのというのが正しいのかもしれない。まるで義務教育の過程のように、結婚をしようと奮闘していたのだから。

結婚はただ法律の中に刻まれた制度のひとつに過ぎない。結婚しないと、血縁がうるさい、友人の会話に入っていけない、と余分な心配をしているほうがもったいない。その時間があるなら出会いでも探しにいく方がよっぽど賢明」

 今からタイムマシンで戻って、当時の自分にこう伝えてあげたい。

 2019年はまさに同調女子が豊作の時代で、テレビドラマでもその傾向がよく見られた。『凪のお暇』(TBS系)や『だから私は推しました』(NHK総合)の放送当初がその代表例。両作品とも主人公はOLという設定で、同僚とランチだけではなくSNSまでひたすら気を遣って足並みを揃えようと自我を殺す。そして結婚に焦って、男に振られる。そのシーンに共感をした女性が多いというのだから、みんなストレスが溜まっているのだと切なくなった。

 周囲に合わせて生きていくのがそんなに大切なのでしょうか?