この秋、話題の全宅ツイが書籍を6冊同時刊行した

「不動産投資の実績のない貴方のところにわざわざ向こうからやってくる不動産は全部クソ」

 名言やな。不動産投資を初めてやろうとする人間に、不動産投資の世界の”入り口”の本質を端的に教えるええ言葉や。ん? 誰の言うた言葉やって? 

 すまんな。わしが言うたんや、これ。

 地銀の優等生と言われたスルガ銀行が逝き、耐用年数の向こう側へ連れていってくれた西武信金が半グレとご飯を食べて逝き、フラット35を投資に悪用するなんちゃってスキームもめくられ始めた2019年、この不動産投資の氷河期の入り口。

 それでもブログで、幻●舎の自費出版で、Twitterで、You Tubeでなんちゃって大家が叫んどる。
 「不動産投資でお金に縛られない自由な人生を!」「貴方にもできる!」

 不労所得。ああ、この魅惑の響き。

 わしは想像するんや。ええ大学出てええ会社に入ったあんたやった。ほんでも40過ぎて、出世の限界も見えてきた。毎月毎月振り込まれる給料は一緒や。平日は一生懸命はたらいて、会社と家の往復。たまの休みには家族サービス。おんなじような毎日毎日の繰り返し、これは辛抱たまらん、息もつまるわ。

 このままで人生ええんやろうか。このまま歳とって行くだけでええんやろうか、あんたがふとため息をつきながらそう思ったとき、なんちゃって大家や不動産屋がささやく。

 「人生を変える一発逆転の不動産投資はいかがですか?」

 人生変えられるんとちゃうか、いや人生変わらんでも月に5万でも給料と別に入ってきたらごっつええやんか。
 ……そう。これまで1円だって自分の力で稼いだこともなければ、たいして能力も度胸も自己資金も不動産の知識もコネクションもないのに、儲けたろう、人生を変えたろう、そう思うあんたらのようなんが、不動産投資の”カモ”や。

 わかる、わかるで。オレだけに囁かれた儲けのチャンス。あの高揚感、しめしめ感。
 ついでに、わしも不動産オーナーや言うて友達に自慢もしたくなるやろ。

 アホそうや。不動産業界。かしこい大学出て本業で立派な会社勤めて仕事もちゃんとしるオレがアホばっかりおる不動産業界でちょっと本気でやったらちょろいんちゃうか。不動産ちょろいやろ。って思うやん。

 しかし、や。
 立派な業界におるあんたの想像もつかんことが起こるんが不動産投資や。

 残念ながら、あんたらのおる業界ではありえんモラルの不動産業界の人間が多い。わしが思うにこれまで散々不動産業界にはめ込まれた大学教授、医師、弁護士、大企業サラリーマンetc...は免疫がなかった。
 自分が働く高尚な業界では会うたことない、嘘を付く人間、自分の歩合の為やったら法律でも踏み倒す人間。

 会社のお金、組織のお金という実態の感じづらいもんしか触ったことないあんたが、いきなり資本主義の中枢、みなが自分の札束いうリアルでシバきあいをする不動産世界に飛び込んだらどうなるか、ちょっと想像してみいや。

 わしは素人に不動産投資を勧めようとはこれぽっちも思わんけど、家族もおるあんたが何も知らんと不動産投資の大海原に漕ぎ出して難破するのはあんまり見とうはない。
 せめて、あんたが漕ぎ出す不動産大海原がどんなとこか知っておくために、ええもんがあるから教えといたるわ。

 全国宅地建物取引ツイッタラー協会、まあ、こっちのほうがとおりはええわな、「全宅ツイ」言うんや。